
次の日、ホテルで英気を養い、気合い十分で再び斑尾のホテルから車で1時間の小布施へやってきました。そして無事に竹風堂の駐車場へ車を止め、まずは昼ご飯に繰り出しました。

昼ご飯は、ソバ!長野と言えばソバ。まさに竹風堂のそばにあったソバ屋さんです。まだ11時半だったというのに店内は大変賑わっており、早くも店のおばちゃんはテンパリ気味でした。
そばって、好きな人は本当にうんちくを垂れ流すほど好きですよね。とくにおじさん。うちの父もそうです。何カ所かお気に入りのそばやがあり、足しげくそこに通っています。私ははっきりいってあまりソバの味の善し悪しは分かりません。どちらかとえばうどん派です。でも名物というならソバを食います。
そんなことで天ぷらとざるそばのセットを頼んだのですが、息子は車内でずーっと「アイス、アイス」と言っていたので、ソバに大ブーイング。この日のために用意した携帯用の麺きりばさみを駆使してソバを細かくしてあげたりしても、ご機嫌は悪く、ハサミを下に落としたり、七味を振り落とそうとしたり名一杯のいたずらをしようとして、落ち着いて食べるような状況ではなかったです(それでも完食しましたけど)。

ソバを食べてすぐに栗みぞれはお腹に入らないので、周囲をぐるぐると散歩して無理矢理に腹を少し空け、やっとやってきました竹風堂。どうですか、この品格と風格を兼ね備えた本店の佇まい。数年前に入った松本のお店も、天井が高くて手入れされたお庭がすごく素敵な店でしたが、本店はまた違った趣がありました。二階の喫茶室へ行き、栗みぞれとところてんとりんごジュースを頼みました。

これがその栗みぞれ!見た目はけっこう、「ん?なんじゃこの泥だんごのようなものは。」と思うのですが、こ、この泥だんごのような栗あんが、絶品なんです。それを少しすくって、栗蜜がかかった氷とを一緒にたべると、栗の風味がぶわーっとお口にひろがり、冷たい氷と一緒に溶けていきます。一応食後だったので一杯のかき氷を3人で分け合いましたが、みんな取り合いに。
そひて栗みぞれだけではなく、今回私がところてん好きなもので、ところてんも注文してみましたが、こりゃあほんまもんの天草を使用しておりなさる!とすぐにわかるくらいの天草の香りと歯ごたえ。うまい!本当のところてんを初めて食べた気がしました。私は断然酢醤油派なのですが、関西では黒蜜をかけるところもあります。暑さにバテ気味の体に、つーんときりっと酢醤油ところてん。ああ、本当に美味しかった。私の期待を絶対に裏切らない竹風堂さんでした。あ、リンゴジュースももちろん美味しかったです。
なんだかグルメブログみたいになってしまいました。

長野に、初めて家族3人水入らずで旅行へ行きました。いつもだいたい私の両親やら姉やらがくっついていたので、(いや正確には私と息子がよくくっついていた)夫、私、息子の3人での旅行は初めてです。
なんで長野かっていうと、コープのレジャー紹介のチラシに「家族で遊んで泊まれる」という甘い言葉が書いてあったから。夏休みで混む前にいくべ!ということなのだった。でもいざそのホテルへ行ってみると、なんかシーズン前で、売りのラベンダー畑とか子どもが遊べるわんころパークだとかはまだやってなくて、意味が分からない感じになった。ただひたすらに遠かった。
長野というと、息子がまだこの世にいないときに夫と二人で旅行へ行った思い出がある。その時に、竹風堂という老舗の栗のお菓子屋さんに行って、そこで食べた栗みぞれというかき氷が忘れられない美味しさだったのです。夫もそのお菓子屋さんが大好きで、今回の長野ツアーに組み込まれていました。しかも小布施にある本店に行こうと。
東京からの長い長い道のり、思いのほか遠くて、もう一番近い竹風堂でいいやと途中で高速を降りて小さな支店に入りました。ところがそこでは栗みぞれはやっていなくて、再び小布施の本店を目指しました。もう夫は運転でヘロヘロ。やっとの思いで竹風堂の看板を見つけ、私は歓喜の声を上げました。ところが夫は突然右に曲がり、うねうねと奥まった駐車場へ。「ん?なんでこんな変な所に駐車場があるの?まあいいか」と、もう長旅で疲れていた私たちの脳内には正常な判断力というものが無くなっていたのです。
やっとの思いでたどり着いたその店は、竹風堂から数メートル離れた別の店、、、。それに全く気づかず、感激して写メまで撮って、店内に入り「あれ?なんだか前と雰囲気が違う、、、?こんなにカジュアルだったっけ?」と頭に?マークがひしめいておりました。それでも「栗のかき氷はありますか?」と聞くと、「今年はやっていません。」とのこと、、、。え!それを食べに来たのに、、、。とかなり落ち込んだものの、別の栗のお菓子を注文し食べましたが、全然美味しくなくてびっくり。あぜんとして悲しくて、肩を落として店を出ました。
私が落ち込みつつトイレに行って帰ってくると、夫が口をあんぐり開けて「しほちゃん!大変なものを見てしまった。今のは竹風堂やない!竹風堂はもう少し先にあったんだ!」と、、、。は?ああ、もう私たち疲れてるんだね。そうだよね。よく見て、店名が全然違うし店の雰囲気も全然違う。あほや。私たちはあほや。

でもね、、、。ふと周りを見渡すと、栗のお菓子やさんばっかり!!!どうやらここは栗のお菓子ストリートだったようで、ぐるっと見渡しただけで4軒くらい栗屋が軒を連ねていた。そ、そんなん知らんかったもん。もう焦って疲れて嬉しくて訳が分からなかったんだもん。
私はひとしきり夫に当たり散らした。殴りかかった。でも夫もずっと運転で、夫こそ疲れていた。ということで、笑い話にして、(殴りかかったけど)次の日にまた出直そうということになった。恐るべし栗ストリート。
息子は車が大好きなので終始ごきげんで、間違った栗屋のお菓子もほとんどたいらげ、車でたっぷり睡眠も取り、一人だけ元気だった。

大学時代の友人タマさんが、赤子を産んだといって遊びに来てくれました。赤ちゃんはまだ4ヶ月だというのに、タマさんはもりもりお出かけしているのだとか!すげー!私赤子が4ヶ月のころなんて、まだ自分の痔とか乳首の激痛とかおっぱいのカチカチ現象とかで外出なんて近所のスーパーがやっとだったぜ。
世の中には、なんというか、赤ちゃんを産むのに最適なボディを生まれながらに備えている人がいるんだと、タマさんの妊娠出産育児体験を聞いて思った。まず、結婚してすぐ妊娠。つわりなし、トラブルなし。里帰り出産のために実家へ帰り、「ん?これ陣痛?でも我慢できるから違うだろ。」みたいな感じだけど念のために病院へいったら速攻分娩台、20回ほどいきんで1時間くらいでするっと出産。看護師さんに「痛みに強いんでねーの?」となまりを全開で言われたそうな。
すごい、すごすぎる。そんな人聞いた事ない。出産ってみんな血反吐を吐く思いでするもんだと思ってた。少なくとも私は、「こんな事を乗り越えて人類が増えてきたなんて信じられん」と思う程しんどいと感じた。そんな私でさえつわりはなかったのだから、人にはそのことだけでもうらやましいと言われる。
しかもタマさんは、特に乳首トラブルもなくおっぱいも順調、赤ちゃんのアッキーは夜中の授乳もそれほど多くなく、いたって順調。小さなあごと、丸い目でとってもおりこうさん。すごい、すごすぎる。私は出産もしんどかったが、産後の痔とか膣の裂けっぷりの痛みで歩けなくなるとか、しっこがでないとか、体中の水分がおっぱいにとられて、うんこがダイアモンド級の固さになって痔が悪化とか、毎日「私、このまま死ぬのかな、、、。」とか思いながら過ごしてた。(今思ったら笑い話だけど、当時は深刻)
実家から東京へ引っ越した後も、さみしくてつらくてマンションのベランダで赤子を抱っこして泣いたりしながら「神様、どこでもドアをください」とかつぶやいたりして、おかしな感じにまでなっていた。
そんなことを思い出しながら、タマさん、あなたの体がほしい!と心底思いました。
タマさんとは、大学時代にマニアックな漫画をたくさん借りたり、夜中にアダルトアニメビデオ鑑賞会をして大笑いしたりと、彼女からは私の知らなかった世界をたくさん教えてもらいました。焦っている姿を見た事がないくらいいつも冷静で、落ち着いているけどいざしゃべってみると超おもしろくて、抜群に頭のいい女性です。私は自分の大学時代は、本当に楽しくて大好きな時間でしたが、そこにはいつも尊敬できたり、影響を受けたり、大笑いしたり、一緒に泣いたりできる友達がいたからだと思います。タマさんもその友人の一人で、こうしてお互い子どもを産んで、一緒におやつを食べながらおしゃべりできるということが本当に奇跡のように嬉しい事でした。
私を思い出してくれて、連絡をくれてありがとう。今度は私が会いに行きますね。

五月の末に2歳児歯科検診があった。区が行っている歯科検診は、なかなかに胸がざわつかされるものです。歯の健康の他に、何語しゃべれるか、食べ物のバランスとか色々質問されて、標準通りでないと「詳しく調べましょうか。」とか「こんなんじゃ虫歯になりますよ。」とかけっこう恐ろしいことを言ってくるんです。
1歳半のときも、「おっぱいまだ飲ませてるんですか?虫歯になりますよ?ほら、この前歯もう濁ってる。」みたいに言われ、私は慌てて子どものデンタル用品を買いあさったりしました。が、いざ歯医者に連れて行くと、特に心配はないと言われたりして。
そして、案の定今回はわざわざ別室に呼ばれて「言葉が遅いんじゃないか」と言われました。そして「今何語しゃべれるか書き出してください」と言われ。私は息子が話せる言葉を出来るだけ思い出してみました。一応言葉数はクリアしたんですが、二語文がまだ言えないのは遅いみたいなことを言われ、軽くへこみました。二語文とは「ワンワン、来た」とか「ママ、バイバイ」みたいな事です。今までそんなこと心配したことなかったのに、なぜにわざわざへこませるのでしょうか?まさかストレス解消じゃないでしょうね?もっとうまくやってくださいと言いたい。
最近息子の口臭が私は気になっています。幼児に口臭なんてあるはずがないと今までは思っていました。というか、こんな何もかもツルツルピカピカの新鮮な赤ちゃんなのに口臭とかまさかね?という思いでしたが、自分の息子だから無遠慮に口の匂いをすんすん嗅ぎまくっています。なので今回の歯科検診ではそれを相談してみました。が、特に問題ないと言われました。あれ?私の鼻が臭くなってんのかな?
まあそれはちょっと置いといて、歯科検診では、息子は歯がきっちり詰まって生えているために「フロス」を使用してくださいと言われました。はー、すごいね。幼児にフロス。ちゃんと薬局にも売ってんだわ、幼児用のフロスが。生まれた時からデンタルケアの時代です。歯周病菌が重大な病気の引き金になるらしいしね。さらに、そろそろフッ素デビューはいかがですかと言われ、江戸川区は子どもの医療費タダなので、早速フッ素塗布に連れて行きました。
フッ素って、どんな恐ろしげな粉なのかと思ってびびっていたら、なんとバナナ味イチゴ味メロン味グレープ味とかのおいしいジェルでした。息子も最初はのけぞっていましたが、大好きな若い女性の歯医者さんに「お口あーん、美味しいよ〜!」と言われて、ニヤニヤしながら口をあ〜んとしていました。私が歯を磨く時は全力で顔面を蹴ってくるのにですよ。これからは月に一回フッ素塗布に連れて行きます。
良かったね、月に一度はきれいなお姉さんと会えるよ。

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トイザラスでいつものように息子を放って遊ばせていると、息子がなにやらペンを持ってイラストをタッチしていた。見ると、アンパンマンの知育玩具のようです。ページのイラストをタッチすると、そのものの名前と例えば救急車だったらその音、ライオンのイラストにはライオンの鳴き声、せみをタッチすると「せみ」と言った後にせみの鳴き声、川をタッチすると「かわ」と言った後にせせらぎの音。
「す、すげー!」息子よりもむしろ私が何やら感動してしまって、夢中でページをめくる。全部で47ページあって、「あいさつ」とか「買い物」とか「家の中」「動物園」「水族館」「体の名前」「アルファベット」「ひらがな」などなど子どもには十分な情報量。楽器のページには、それぞれの楽器の音もなるし、しかも日本語はもちろん、ボタンを切り替えると「英語」バージョンになるという優れもの!これは、相当高いのでは、、、?と値段を見ると8千円ほど。ふーむ。欲しい。私が欲しい。とりあえずそのときは欲しい気持ちをぐっと押さえて、帰り、夫に相談すると「そんなに欲しかったら買えばいいじゃん」と。夫はひらひらとタブレットをあやつり「これ安いよ」と言って、どっかのオークションで6千円ほどで落札。
3日もすると、届いた。やったー!息子も「あんぱん、あんぱん」と言いながらあやつりはじめた。これはいい感じだ。もう購入して2週間ほど経った今では、自分でプラスチックの本のカバーを開き、アンパンマンのペンのスイッチをオンにし、一番好きな車のページから開いて、適当にその日の気分でペン先を絵にタッチするようになりました。

おいおい!こんなハイテクに頼ったらいかんぜ!というもう一人の自分の叫びも聞き、、、。寝る前に絵本の読み聞かせも始めました。ちょっとまえまで、なかなか集中の続かなかった読み聞かせも、2歳と1ヶ月の今では、電気を消して、枕元のオレンジ色の明かりを灯すと、嬉しそうに自分の読んでほしい本をそそくさと持って来て布団に寝転ぶようになりました。
写真の絵本が、今息子が大好きな絵本達です。ほとんどがいただきものですが、「14匹のあさごはん」だけは、私が小さい頃に好きで、今でも手元に残っている絵本です。昔の匂いがするのか、息子はたまにこの絵本の匂いを嗅いでいます。私と一緒で、食べ物が出てくるのがいいみたいです。今後もちょっとずつ、自分が好きだった食べ物の出てくる本を集めていきたいなと思います。「からすのパン屋さん」とか「ぐりとぐら」とか。
勉強は嫌いでもいいから、本の好きな人になってほしいなあ。というのが親の勝手な願いです。