皆様、大変お久しぶりでございます。うっかり日々を過ごしてまいりました。頭を振り乱して生活しておる間に、イラストも一つ描かせていただきました。
角川文庫さんから出ております。「ろくべえまってろよ」の装画です。灰谷健次郎さんの作品です。3月末に出ております。更新が遅くなってしまい、申し訳ございません。
ええ、ええ、初めて動物を描かせていただきました。意外だね!とよく言われるのですが、動物は描いた事がございません。学生時代に虫や貝の絵を描いていましたが、かわいいワンニャンは、かわいいワンニャンを描く方が大勢おられますので、私では恐れ多く思っておりました。なので、試行錯誤ワンコとなっております。表紙から試行錯誤があまりにも漏れ出てしまいますとお恥ずかしいのですが、そんなワンコです。
「ろくべえまってろよ」はご存知の方大勢おられると思います。絵本の方が有名ですよね。なんとイラストはあの偉大なる長新太さんですから、もう頭の中では長新太さんのイラストばかりが回っておりました。何かどこかで自分も長新太さんと繋がれたのでは?と思うと嬉しかったですね。
今回文庫サイズになって、ろくべえまってろよの他に七つのお話が入っています。どのお話も、灰谷さんの子どもに対する優しい眼差しに溢れています。気持ちがすさんでしまったとき、読んでしまったら、泣いてしまうかもしれないです。素直で優しい文章にやられてしまいます。
多くの方に読んでいただけますように。
皆さん、お久しぶりです。2月末に夫が大阪に転勤が決まり、大阪に引っ越しました。オオサカナウです。もう、それはそれは忙しく、忙しすぎて痔になったりしながら、お尻を引きずりながら今日にいたるわけであります。子どもは一切の戦力にならず(それどころか邪魔しかしない)、夫は多忙を極め、ほぼ一人で引っ越し準備をしました。
何が一番大変だったかといわれたらですね、「お別れの挨拶」が一番大変でした。なんのって、息子の幼稚園のです。東京生活5年。私も息子も着実にコミュニティに根ざし、日々を築き上げてまいりました。ママ友をたんと作り、幼稚園のバザーに貢献し、スーパーへ行けば「あら、ごきげんよう。」と挨拶する人がわんさかいるくらいに、地域に溶け込んでおりました。
てんきん!てんきんだ!ついにきた。忘れかけていたころ、それはやってくるのです。転勤の電話をもらってから、もうちゃぶ台をひっくり返すくらいに私は大騒ぎをしながら、ええ、今日にいたります。お別れのクッキーやらハンカチを買い、幼稚園のお友達一人一人にお手紙を書き、転園を嫌がる息子をなだめすかし、大阪まで幼稚園を探しに行き、大量の物質と向き合いながら荷造りをしました。
引っ越し当日の朝までに、7割くらいしか荷造りが終わらず、髪を振り乱しながらサカイの兄ちゃん達と引っ越し作業をしました。息子はママ友達が預かってくれて、車に乗り込む直前まで遊んでいました。1歳半の娘は、大阪から手伝いに来てくれていた姉がずっと抱っこしてくれていました。
すべての作業が終わり、車に乗り込んだ時はただ安堵。でももう二度と引っ越しは嫌だと思いました。何が嫌って、大量の物質とひたすら向き合うあの時間。捨てるか、残すか。自らが買い集めたあの大量の物質。夫が買い集めた大量の物質。クリップひとつ、とろろこんぶの袋ひとつ、、、。子どもの大量のおもちゃ。いつか使うかもと取っておいた、謎の袋の数々。あー、君たち、審判の時がきたよ。やはりゴミになるのだねと、ひとつひとつにさようならと、大阪でもよろしくをつぶやきながら。
そして、衝撃のご報告。姉夫婦と同居しています。大阪在住の姉夫婦と。「そんなことできるのか?」と多くの人に言われましたが、今のところ同居で良かったと私は思っています。元々姉夫婦だけではでかすぎた、大阪のばあちゃんが建てた家です。子ども達も姉夫婦が大好きだし、姉夫婦は子ども好きだし、私は色々と助かっています。
東京でお別れを言いそびれた人もたくさんいますが、引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
佐川光晴さんの「大きくなる日」の装画を描きました。集英社文庫です。
画像に帯はついていませんが、ちゃんと帯がありまして「少年と家族の成長を描く感動の家族小説」とあります。と、あるんですが、ひとつの家族の話ではなくて、色々な家族がでてくるオムニバスです。でもすべての家族が何らかの形でこの男の子の家族に関係しています。ゆるくすべてがつながっていて、派手な事件はおこらないのですが、そこがリアルな家族の日常を感じさせます。
この男の子、名前は太二君(たいじ)というのですが、こんな男の子になってほしいなと思います。いや、私の息子がですよ。もうまずこうはなってくれないのは、今の時点では分かってるんですがね。落ち着いていて、粘り強く、問題を解決しようとする。家族と仲が良く、やっぱりもてちゃう。太二君、うちのこにならないか?と言いたくなりますが、これは太二君の親が素晴らしいからであって、そりゃ、親が私じゃ太二君にはならないよね。
いや、だからうちのこはうちのこでいいんだ。うちのこがうちのこでよかった。親の立場で読むとそういう風にも思えるお話です。
私にしては珍しい、男の子のイラストです。テニスをしている男の子が出てくるので、苦手な小物つき!(笑)ラケットなんて描いたことないよ〜!と焦りましたが、こういうのも勉強ですね。新鮮でした。
このお話は、なんと中学入試の国語の試験頻出作品らしいですよ!読んどきましょう。
栗沢まりさんのデビュー作「15歳、ぬけがら」という小説の装丁画を描かせていただきました。講談社児童文学新人賞佳作の作品です。
帯にもありますように、貧困がテーマです。子どもの貧困。日本は深刻ですよね。よくNHKのクローズアップ現代とかNHKスペシャルにもつい最近取り上げられていました。戦後どんどん豊かになってきたはずの日本ですが、今また深刻なんです。NHKスペシャルで井筒監督が「オレらの頃はみんな貧しくて当たり前やったから、そんなこといちいち辛いとか思わなかったけどなあ」とつぶやいておられましたが、貧困を経験した若者が「みんなが貧しいなら辛くないんです。でもみんなが持っていて当然の物を持てない、みんなができることが自分のうちではできない。ということが一番辛い、将来への希望がもてなくなる。」ということなんです。
今回のこの「15歳、ぬけがら」は貧困をテーマにした小説なんですが、かわいそう、というのではないです。なんというか、かっこいいと言った方がいいですね。もちろん辛いシーンもたくさん出てくるのですが、力強く孤高な麻美という主人公をみてほしいです。「ぬけがら」という言葉の意味も、かっこいいんです。自分の未来に思いを馳せる事ができるということが、どれだけ幸福であるかを思った。
児童文学だけれど、大人が読むべき一冊だとも思います。大人にしかできないこともたくさんあるから。
プレジデント社の雑誌「プレジデントBaby」にイラストが載りました。また仕事のほうのWebにちゃんと載せたいと思います。今はとりあえずお知らせです。かなり大きくイラストを使ってくださって嬉しいです。
子どもや少女なら描くの好きですが、赤ちゃんは描いた事なかったので難しかったです。3歳の子がいるから赤ちゃんを間近で見てきてるはずなんですがね。よく自分の子が産まれて、その子をモデルに画家さんや作家さんやイラストレーターさんは描くと言いますが(私の友達の画家のかおりちゃんもよく娘さんを描いています)、私は子どもが産まれてから気持ちに余裕が一切なくなり(どんだけ切羽詰まってるんだよ)仕事とならないとなかなか絵を描こうという気持ちになれなくなってしまいました、、、。なので、息子の寝顔など見ても「あー、やっと寝てくれた(涙)」となるだけでとてもとても描こうとは、、、。なので、赤ちゃんの顔描くの、初めてでした!!!!すいませんです!
今回は成人男性も描きました。だいぶ漫画チックになってしまったけど。扉絵の他にも全部で6カ所イラスト載っております。雑誌の仕事は久しぶりでした。8月には私にもまたゼロ歳児を育てる時期がやってまいりますので、お仕事でいただいたこの雑誌の特集、非常に今の私が必要としている情報満載でした。ありがたかったです。またどうぞよろしくお願い致します。