10年来のお友達よーこちゃんちへ一泊旅行。よーこちゃんは新婚さんで愛知県に住んでおります。そんな新婚さんの愛の城へ、ホビット族のような私がお邪魔して来ました。
おみやげは何がいいかと尋ねると「赤福」とな。私自身も赤福は大好きですが、他県の方にも赤福は大人気。特によーこちゃんは幼少の頃より家族全員で愛好しておるそうな。私もこのやわらけー餅をたいそう誇りにしております。AKAFUKU IS MY PRIDE。
しかしなんだかこれって、お泊まりという大イベントにしては地味な手みやげだなあと感じ、プラスアルファでばあちゃんちの畑で鬼のように採れるカボチャを持って行く事にしました。よーこちゃんはカボチャが大好きなのでこりゃあ喜ぶ顔が見れるだろうと思っていざかついで家をでました、、、が。このカボチャ、相当デカイので、3歳児くらい重さがあるように私は感じました。
パンパンリュックを背負い、カボチャをさげ、手には傘、足下はぞうり、なあに?この戦後の混乱期の闇市帰りのような感じは、、、。と思いながら着いた頃にはカボチャをいれた袋がずたぼろ、旅の過酷さを物語っていました。
そのかいあって、たいそうカボチャを喜んでくれて、しばしオブジェのような扱いをしてくれました。新婚さんらしい、可愛らしいインテリアでまとめてあって私はお皿一枚、タオル一枚にも興味津々でした。ただインテリアの事でだいぶもめたらしいのでよーこちゃんは「茶色の家具ばっかりでそろえてしもうて、まるで洞窟やろ?」と悪態ついておりましたが、そんなことはなく、おしゃれで居心地の良い空間でした。
夜はよーこちゃんとよーこちゃんの旦那さんと手羽先のお店で愉快な夜を過ごしました。話の内容は主に「うんこをもらしたことがあるか?」とかそういうしょーもなくて楽しい話でした。笑い過ぎて机を壊すかと思いました。

4日から6日まで、近くの村の集会所で夏休みの図工教室を開いていました。地元の1年生から6年生までの20人にポップアップカード作りを教えました。
いつもは中学生に美術を教えていましたが、小学生は初めて。最初教室ににぎやかに子ども達が入って来たときは、あまりの小ささにびっくらしました。全員私より小さい!!それと同時に、汗で髪の毛が顔にはりついたまま、鼻歌を歌ったりしている子どもがかわいすぎて、授業うんぬんよりとにかく子どもと過ごすのがおもしろかったです。
ただ、年齢の違う子どもに一律に図工を教えるというのは思ったよりも難しく、けたたましく私の助けを求める声に目が回りそうでした。「もう10分もまってるのに〜〜〜!!」など、苦情の嵐のなか「先生の体は一つです〜〜!」とか「10数えておいて〜」とか適当な言い訳を叫びながら顔テッカテカで走り回りました。
ところが途中から5年生の女の子から「高学年と低学年をペアにしたら、高学年が低学年を助けてくれるんじゃないの?」というアダルトな意見をいただき、実践したところ、みんなすこぶるお利口さんに作業に熱中しているじゃありませんか!!!アンビリーバブル!素晴らしい。しかも今まで騒いでいた5年生の男の子が、1年生を教える事によってお兄さんらしさを保とうと、真剣な表情で私の話を聞いている。子どもってやり方次第なのね。勉強になりました。
3日目の最後の挨拶のあと、影で色々助けてくれたそのアダルト5年生の女の子が帰る直前に「3日間ありがとうございました。」といってこのカードを渡してくれました。嬉しい。嬉しかったです。しかも教えていないタイプの飛び出すカードじゃないか。すんげー理解力。来年もまた会えるといいなあ。
あ、「ゴミを10個、誰が一番最初に拾えるかな〜!!」という台詞は、非常に有効だと思いました。競争心って大事。

我が家にホームベーカリーなる文明が舞い降りました。
何日も前から母と届くのを楽しみにしており、「ホームベーカリーが来るから、パンはもう買わなくていいよね?」が口癖となっておりました。友人の話によると、「美味しすぎて焼いた瞬間なくなるから、こわくてもう押し入れにしまってある」というほどのデンジャラスマシーンです。
ところがそれほどに楽しみにしていたのに、私と母はすっかり「パンの材料」調達を怠っており、いざ届いて「さあ、焼こうやないか」となったときに母が穴蔵から取り出して来たのが2004年賞味期限の強力粉、2002年賞味期限のドライイースト。
それでもどうしても今焼きたい。っていうかこれまだ使えるんじゃない?というヒソヒソ話の末、パン屋への冒涜、ホームベーカリーへの屈辱を与えるような行為に至りました。その二大賞味期限切れ(しかもパン作りに置ける要)材料を使ってホームベーカリーの筆下しをしてしまったのでした。可哀相な父は、朝になったらできたてのパンが食べられるんや!と嬉しそうに眠りについていました。太った腹を揺らす彼の寝顔が不憫でなりません。
朝、香ばしい香とともに目覚める予定だった私は、「かつて食べ物だった何かの匂い」のようなもので目が覚めました。おそるおそる覗いたマシーンの中には、ふくらまず息絶えた茶色の塊と古民家の屋根裏のような匂いが。それでも焦げ目は美味しそうだったので、ちぎって一口食べましたが、口中に広がったのはカビのかおり。
「クロちゃんにあげよう」と力なくつぶやいた私に、母も静かに頷きました。(クロちゃんはおばあちゃんちの犬です。おばあちゃんの自慢は、クロちゃんがなんでも食べる事。)太った父には、超熟イングリッシュマフィンを焼いてあげました。

今日は、交流のある地域の高校生達と山の集会所でBBQをしました。
男の先生達は黙々と火を起こし、机を運んでくれます。6人の高校生に対してBBQセット3台、先生が7人、肉は国産豚、鶏、牛大量、シーフードもりもり、焼きそばごっそり、野菜は地場産、美味なる音がするソーセージ、アイス、シュークリーム、ジュース、、、。今や子は宝。地域で育てる宝なのです。
先生焼く、高校生食べる。高校生飽きる、先生片付ける、高校生遊ぶ、先生達見守る、、、。今や子は宝。地域で守る宝なのです。あやまった道に入り込まないように、道をそれぬように、、、。
じゅーじゅーしていると、突如赤すぎる肉が登場。相当命いただいてる感じがする異様なその皿。「シカ肉だよ。」と先生が。初めて見ました鹿肉。どうやらこの地域の人々は割と食べるらしい。さすが山間部に住む人々。しかも刺身でいけるらしい。私は未体験フードに関しては非常に積極的であり友好的です。迷わず刺身でいきました。
うまい!みなさん、鹿の生肉は相当美味しいです。ほぼマグロの赤身のような感じで、非常にあっさりしているのですが、こくもあります。焼くとダメです、なんかつまらん乾いた肉になります。おばあちゃんちのイチジクを全部食べて行ったシカに対しては、そんなに罪悪感も感じず、美味しく命をいただきました。ありがとうございました。
夜は花火。打ち上げロケット系はありません。あくまでも安全にいきます。最後にみんなで円になって線香花火の長寿競争へ。最後まで火が残ってる人は願いが叶うシステムにしたらしく、「今年は野球部の彼氏ができますように!」「来年の花火は彼氏といけますように!」と声に出して願う高校生達は文句なしにかわいい。「プリクラちょうだい。」「お父さんと一週間口きいてない」という言葉を聞くと、「私達の頃とは違う」ということは何も感じない。
大事にしないより、大事にするほうがいいに決まっている。「大事にされた」という記憶は大きくなってもその人を支え続けてくれると思う。

花火の写真やディズニーのパレードほど、写真で撮るとつまらんものはないと思いますが、撮りました。あれはライブ感を楽しむもんですから。
昨日は高校からの友人ひとみちゃんとつーさんと初めて名張の花火へ行きました。浴衣を着る約束で前の晩に血眼で探すも見つからず、しょうがなくドミニカ共和国の女性が着るような大柄の花柄ワンピースをチョイス。どうやっても、お祭りでは浴衣の女性が何倍も素敵に見える。モダンな浴衣を身にまとった二人の友人をうらやましそうに見つめ、ドミニカは頑張りました。花火を観に行くのは多分5年ぶりくらいかもしれません。何をやってたんだよ私は5年間も、、、と思いました。もっと花火は観に行った方がいい。ちなみにひとみちゃんは、東海地方の花火は全部観に行く、というお祭り大好き人間です。レジャーに貪欲な人間が友達だと人生は何倍も楽しくなると心から思います。つーさんは毎日夜の10時半には就寝する女子なので、後半口数少なくなっていました。ひとみちゃんがきちんと御座とクーラーバッグを用意していてくれたので、人生史上最強にベストな状態で花火を観ました。備えあれば憂いなしってこういうときに使うんだよな。
近頃の花火は、何色もあってカラフル。垂れ下がって落ちたり、キャラクターの顔の花火やハート型などもあるようです。心臓に響くあの音はずっと変わらず、小さい子どもには脅威の音。あれがいい。
しかし花火は同時にヤンキーにとっても大事なイベントであるということに気がつきました。彼らが輝くときでもあるのです。ヤンキー達は、自分が一番目立つように思い思いの工夫をこらし本日に臨んだようです。個性があるようでないキャラもののジンベエ姿、欧米にいったら確実にレイプされるであろう露出狂の未成年、酒を飲んで補導される高校生、花火が終わった後のゴミだらけの街。ジャスコの店内は安っぽいカラフルさに彩られていました。
それでも、これが日本の夏なんだなあと大きな花火の後の歓声や拍手を聞いてじんわりとしました。