
ウクレレ歌手のオオオモリメグミさんの、CDジャケットのイラストを描かせていただきました。デザインは菊地敦己さんです。
下北沢モナレコードで絶賛発売中であります。
http://www.myspace.com/megumiomori
今回はメグミさんが「未来に希望をつなげて生きて行く想いをこめて」つくったので、私も「とにかく明るく」描きました。でもこうして自分の描いたものを見ると、なんか目が悲しそうに見えてしまったり、、、おかしいな(笑)自分が描いた物はあまり客観的に見れなくて人から見るとどう見えてるのか分からないコワさがあります。
でも実際にこのCDを聴くと、たとえ外は雨が降っていたとしても、自分が聴いてる部屋にだけ光が降り注いでいるよな気持ちになるのです。そして歌詞もとても私は好きです。
「いつかまた青い海になれ」という歌詞があるのですが、このフレーズを、メグミさんのポカンとした声が歌うから「なるよね」と頷きたくなります。
彼女はすごく多忙です。でもいつもほのぼのとした空気を漂わせているのでそう感じさせません。そして穏やかなのに周りをすべて巻き込むようなパワーがあります。私はいつも突然くる彼女からの、キラキラとした「絵を描いて!」というメールを読んで、絵を描きます。それがとても嬉しいです。いつも遠くから彼女に巻き込まれたがっています。

少し前に、佐野洋子さんの追悼誌が出ていたので買って読んだら、あまりにも面白かったので今慌てて佐野洋子さんの本を集めて読んでいます。実はそれまでは佐野さんの作品は、代表的な絵本である「百万回生きた猫」しか読んでいなかったのです。あまりにも有名なこの絵本ですが、読むたびに泣けるので読まないようにしています。母は私に「このような絵本をあんたも描きな」というのですが、私はでんぐりがえりを地球百万周しても無理でしょう。
佐野さんはエッセイも沢山出しているので、それをこれから片っ端から読んでやろうという楽しみが出来て、それから毎日私は嬉しく楽しみに生きています。トイレに本が置いてあるので、トイレが楽しみです。
その追悼誌の中で、佐野さんが山田詠美さんの本が良かったと書いてあったので、その本も買い、さらに、最近とてもお話をたくさんしているデザイナーさんが好きな本として教えてくれたので、瀬尾まいこさんの本も買い、山崎ナオコーラさんの本も買い、今読みたい本が山積みになっていて学校に行っている場合ではないのです。
「角田光代さんの本を読んでいると、せっちゃん(私のあだ名)を思い出すよ」と3人の人に言われました。3人から言われるという事は、相当私と角田さんは何か共通している物があるのでしょう。
最初にそう言ってくれた友達のヨーコちゃんが、「このひとの本読んでるとな、せっちゃんのこと思い出すねん。そやから私の本全部貸すから読んでほしいねん」といって、彼女が集めた角田さんの本を6冊くらい貸してくれたことがありました。私はそのとき初めて角田さんの本を読みました。
でも、「ん?この部分が似てるのかな?それともこっちかな?」と私は読みながら自分自身でははっきりとはつかみ取れませんでした。それだけあまり自分の事をよく分かっていないのだろうなと思いました。でもそれ以来やはり角田光代さんの写真や文章をあらゆる場所で見つけるたびに、「お、元気でやっていますね」と勝手に馴れ馴れしい想いを抱いています。
私は自分が女だからといって、女性作家の本だけにしか共感できない、というようなことはないと思いたい。自分は村上春樹も好きだし、司馬遼太郎だっていっぱい読んだんだ!と自分自身に確認しましたが、やっぱりどうやらどうやら、女性作家の方が「やだ〜〜〜わかるわかるううう」と思ってしまうもんだなあ。しょうがないや、女だもん。

昨日、校長先生が「明日は休校です。」と告げられて、生徒達はもう大興奮で、帰りの会も浮き足立っていました。嬉しい興奮で、隣の席の子がなんだかいつもより可愛く見えたりするんでしょうね、ちょっかいをかけたりして、その光景が懐かしかったです。私も、職員室では神妙な顔をしていたものの、悟られぬよう興奮しておりました。
確かに、今日はすごい雨ですごい風だった。しかし、どこかで誰かがなぜ死んでしまったりするのだろうといつも不思議に感じてしまう。不謹慎だけど。すごい雨ですごい風だと、なぜ人は死んでしまうのだろう?
なんで危険だと言われているのに、川の様子を見に行ったおじいちゃんが、今日もどこかで流されて死んでしまうのか。どうして見に行ってしまうのだろう?机の角に少し足をぶつけただけで、信じられない程痛いのだから、人は相当死にやすくてもろい存在なのだと、しみじみと膝のあざを見て思ってしまう。

台風が過ぎ去ったので、隣の家の子ども達が啓蟄のごとくに外に出て高らかに笑っています。犬のさくらちゃんも鳴いています。突然の休校に、「この貴重な時間を最大限に生かしきってやる」と鼻息を荒くしていたものの、気持ちばかり焦って何も出来ないまま夕方を迎えてしまった私の空しい心を、お隣さんの子ども達の声が軽やかに通り抜けて行きました。どれ、私も外に出てみようかな。
最寄りの川の写真。小さい頃から、大雨が降ると、かなり厳重に「川に近づくな」と親に言われて育ったので、写真を撮るのもちょっと離れて撮ります。だから台風で川を見に行くじいさまの気が知れない。でもそれはそれでじいさまの使命感やら男気がそうしたのだろうなあ。でもすごいってわかりますでしょう?この流れ。一寸法師はすごいなあ、お茶碗一つで川を下ったのだからなあ。彼も台風だったらひとたまりもなかっただろうに。

台風が過ぎ去ったあとの、雲が早くて人間は驚いてしまう。何にもできなくて驚いてしまう。2011年はそういう年なのかもしれないなあ。

台風が近づく中、小さい頃からことあるごとに通っていた鳥羽水族館へオグとともに行きました。鳥羽水族館が出来た当初、「日本で一番大きな水族館」と言われ、名物の少ない三重県民にとってそれはそれは誇らしい事でありました。初めて訪れたとき、「ああこれが日本一なのね。」と大きな水槽を覗き込んで、そのガラスのゆがみに気持ち悪くなりながらため息をついたものでした。
家族でも来て、小学校の卒業旅行にと友人4人でも来て、近視矯正手術を受けたばかりで片方に眼帯をしながら一人で来て、姉と外人の友達と来て、大学の友達とも、東京の友達を連れても来ました。「これはね、日本一大きな水族館なの。」と東京の友人にいばりちらしたのでした。
あんまりにも来てるもんだから、もう新鮮さもなんもなかろうに?と思いながら、私は大概いつも興奮してしまうのです。館内に足を踏み入れた時のひんやりとした空気と青い水槽が「別世界にきたよ」ということを告げます。

今回は3年ぶりくらいかな?あれ?いつもと様子が違う、、、。どうやら大幅にリニューアルされたらしく、歩き慣れた水族館のはずが雄叫びをあげるほどに色々変わっていました。
魚類が減って哺乳類が増えている!カピバラがいます。なんで?海獣でもないのに?どこへ行くつもり、鳥羽水族館。でも水族館にカピバラがいることが観衆にはよほど嬉しかったらしく、みんな魚類そっちのけでカピバラを見ています。おばさんなんかは、カピバラの前にひざまづいて「あら〜〜〜眠いのねえ。お腹いっぱいなのねえ」と大きな声で話しかけています。このおばさんは、絶対に自分のチワワかシーズーかなんかに服を着せているに違いない。

衝撃の青いロブスター。オモチャじゃないし、染めてもいない。正真正銘青いロブスター。たまげて説明を読んだら、品種改良のたまものだそうな。天然だからびっくりするのであって、品種改良っていうのは少し残念な気持ちに。「青いロブスターを作ってやる」と一生懸命な人々がどうやらいたらしい。相当変わってる。

旭山動物園に感化されたのか、鳥羽水族館もなんか随分と動物達との距離が近い水族館になっていました。このペンギンの水槽、手が完全に届く。余裕で触れそうな距離、なんですが誰も触らない。触れそうだと、逆に触らないという妙な心理作戦にでたのだろうか。とにかく、みんな行儀よく触らずに見ています。私もギリギリまで手を近づけたものの、手をかまれたりして、大騒ぎになって「30歳の女の人がなんかマナーを守らなくて手をかまれたらしい」とか言われたらそれはそれは恥ずかしいと思って、触りたい衝動と闘い、「恥を恐れる心」が勝利しました。
鳥羽水族館をあとにして、お昼ごはんを探しに鳥羽駅の方へブラブラ歩いて行きました。「海女のお店」という、外側からは想像できないくらい店内が繁盛している食堂へ。本当に海女が切り盛りしているらしく、もう、なんかすごい、発展途上国の露店のようなガサガサプラスチックコップが出て来て、私はそういうの全然平気でむしろ好きだけど、オグは隣でなんか怒っている。しまいには「虫が入ってた」とうなだれている。「いいじゃないの、海女がやってる海の幸のおいしいお店なんだから。だから都会育ちは困るのよ。虫の一匹や二匹。」と言いながらケンカになりそうなので、私達はおしだまって、美味しい海の幸をモグモグしたのでした。
きっとこうやって書くと、オグから「あんなこと書くな」っていう注文が入るのですよ。あ〜ごめんごめん。先に言っておくよ。

虫が大嫌いな人、ごめんなさい。これはここ最近のうちの玄関です。
すぐ隣にある大きな桜の木から毛虫がどんどんどんどん、うちの家の壁に登り着いて、うちの郵便ポストに登り着いて、うちの玄関の扉の前に徒党を組んで押し寄せてきて、いつも忙しくて髪の毛を振り乱して朝出て行く働き者のうちの母なんかは、毛虫に構っている暇なんてないもんだからいつも二、三匹いつのまにか踏み殺して、叫びながらそれでも出勤しています。
ところが、この子達は、夕方になるとどこかへ消えている。どこへ?
朝から昼間にかけて、郵便屋さんがのけぞるくらいにうちの玄関周りをはいちらかしているこの毛虫が、夜にはどこにもいない。本当にどこへいくの?
私が平和な国の王様であったなら、日がな一日この毛虫をながめて行方を突き止める事ができるのですが、もしくは昆虫博士で、虫の生態を探る事が仕事であったなら。
残念ながら、不思議な事があっても無視して洗濯物を干す時間を確保したいと思うくらい大人になってしまった私は、ただそのことを母に「今日の不思議」として報告するくらいの芸当しか持ってはいないのでした。

ほらね?すごいでしょ?階段を登ったり、たまに壁から力つきて落ちたりしてどこかへ行ってしまう。
「こんなにいるんだから蜘蛛に一匹ごちそうしてあげよう」と思い立って、目の前にあった大きな蜘蛛のいる蜘蛛の巣へ毛虫を一匹ひっかけてやりましたが、大きく体をゆすり毛虫が大暴れ。見事に巣を破って、ドクダミの花の中へ落ちて行きました。