少し前に、佐野洋子さんの追悼誌が出ていたので買って読んだら、あまりにも面白かったので今慌てて佐野洋子さんの本を集めて読んでいます。実はそれまでは佐野さんの作品は、代表的な絵本である「百万回生きた猫」しか読んでいなかったのです。あまりにも有名なこの絵本ですが、読むたびに泣けるので読まないようにしています。母は私に「このような絵本をあんたも描きな」というのですが、私はでんぐりがえりを地球百万周しても無理でしょう。
佐野さんはエッセイも沢山出しているので、それをこれから片っ端から読んでやろうという楽しみが出来て、それから毎日私は嬉しく楽しみに生きています。トイレに本が置いてあるので、トイレが楽しみです。
その追悼誌の中で、佐野さんが山田詠美さんの本が良かったと書いてあったので、その本も買い、さらに、最近とてもお話をたくさんしているデザイナーさんが好きな本として教えてくれたので、瀬尾まいこさんの本も買い、山崎ナオコーラさんの本も買い、今読みたい本が山積みになっていて学校に行っている場合ではないのです。
「角田光代さんの本を読んでいると、せっちゃん(私のあだ名)を思い出すよ」と3人の人に言われました。3人から言われるという事は、相当私と角田さんは何か共通している物があるのでしょう。
最初にそう言ってくれた友達のヨーコちゃんが、「このひとの本読んでるとな、せっちゃんのこと思い出すねん。そやから私の本全部貸すから読んでほしいねん」といって、彼女が集めた角田さんの本を6冊くらい貸してくれたことがありました。私はそのとき初めて角田さんの本を読みました。
でも、「ん?この部分が似てるのかな?それともこっちかな?」と私は読みながら自分自身でははっきりとはつかみ取れませんでした。それだけあまり自分の事をよく分かっていないのだろうなと思いました。でもそれ以来やはり角田光代さんの写真や文章をあらゆる場所で見つけるたびに、「お、元気でやっていますね」と勝手に馴れ馴れしい想いを抱いています。
私は自分が女だからといって、女性作家の本だけにしか共感できない、というようなことはないと思いたい。自分は村上春樹も好きだし、司馬遼太郎だっていっぱい読んだんだ!と自分自身に確認しましたが、やっぱりどうやらどうやら、女性作家の方が「やだ〜〜〜わかるわかるううう」と思ってしまうもんだなあ。しょうがないや、女だもん。