8月7日から渋谷区神宮前のOPAギャラリーで開催される「Re:女生徒」展に参加します。展示に参加するのは超超久しぶりです。お盆の時期なので色々難しいかもしれませんが、又吉さん効果でたくさん人が来てくれるといいな。
サイト:http://www.ne.jp/asahi/orihara/k/rejoseito/
ツイッター:https://twitter.com/ReJoseito
フェイスブック:https://www.facebook.com/pages/Re女生徒/1595796320672639
花村萬月さんの本です。光文社さんから出版されています。この本の装画を描かせていただきました。
小さな女の子が出てきます。「最愛の存在を得てしまうということは、実は地獄と表裏であることを薄々悟ってしまっていた。」という言葉が出てきます。私は常々、この言葉を自分の中にもって生きてきたような気がします。それは幸せなことなのです。本当に幸せなことなのだけれど、それを失ってしまったらどうやって生きていったらいいのかわからないという不安がつきまとうのです。失ったら自分も死んでしまいそうな存在を、私は多くもっていると思う。
子どもを授かって、その想いが一層強くなってしまった。我が子をもしも失うようなことが起きたら、そう思うだけで背筋が凍ります。スーパーで見失っただけで、冷や汗が私の体を覆い尽くします。テレビで小さい子どもが交通事故に巻き込まれたというニュースを観ると、胸が張り裂けそうで知らない間に涙があふれます。最愛の存在を得た私は、生きている間その不安から逃れられることはないでしょう。
「いまのはなんだ?地獄かな」は58歳で初めて子どもを得た小説家の男性の話です。それまでは「家族なんてクソだ」と思って生きてきたその人が、子育ての喜びを知ってのめりこんでいく様子が、そこはまぎれも無く花村さんの実体験だと思うのですが、本当に真面目な愛情で溢れているのです。痛々しいほどに真面目な愛情なのです。その姿に、私は何度も嗚咽をもらしていました。
どこまでが本当の話で、どこからがフィクションなのかその境目が限りなく曖昧な、今まで読んだことのない小説でした。
この小説の、女の子を描かせていただけたのは、本当に驚くような体験でした。多くの方の手にとっていただけたら嬉しいです。
11月1日から、関西圏の毎日新聞の「読んであげて」というコーナーで、童話作家の村上しいこさんの「ちょっとずつ家族」というお話の連載が始まりました。登録すればネットでも読めるそうです!無料だそうです!是非!
そしてー!なななんと!このお話の挿絵は私が描かせていただきました。全部で29話あるので、29日間毎日、毎日新聞にこのお話が掲載されるのです!つまり毎日私のイラストが新聞に載ります!こんなに嬉しい事はない、、、。サザエさんやコボちゃんの気分です。
作家の村上しいこさんは、青春陸上小説「ダッシュ!」で装丁画を描かせていただいたことから始まり、三重でお会いしたり、表参道でお会いしたりして、なんというか、まだまだ未熟な私にも気軽に声をかけてくださいます。私はしいこさんにお会いするときは、毎回緊張と興奮で、自分が何をしゃべっているのか訳がわからなくなりますが、しいこさんが三重弁で話してくださると、じわっと安心します。小さな体に、ほとばしる情熱とパワーを満載している素敵な方です。
そして、今回の「ちょっとずつ家族」でも挿絵に声をかけてくださいました。嬉しすぎて涙ちょちょぎれました。このお話は、是非大人の方にも読んでいただきたいものです。それは虐待防止月間に合わせて特別に書かれた物語であるということ。そしてこの深く優しい物語は、むしろ大人の方のほうが響くのではないかと思うのです。
イラストに関しては、今回は「ネコ」ちゃんが大事な役所で、たくさん出てきます。人物専門で描いて来たので、動物を描くのはとても新鮮で、すごく難しかったです。大人の男性を描く事もあまりなかったので、今回は本当に自分にとって非常に勉強になりました。そうだよな、イラストレーターってこういう職業だった!ということを改めて認識しました。自分の勉強不足、経験不足を痛感したのも事実です。
でも、小さい頃からひたすら広告の裏に絵を描き続けてきて、いつか絵の仕事ができたらどんなにいいだろうと夢を見て来たことが実現したのだなあと、今回の挿絵を描いていてそれが本当にありがたく、幸せをかみしめることができました。
これからも絵を描き続けられるように、小さい頃の自分と時々話をしたりして、あのときの気持ちをずっと忘れないように描いて行きたいです。
少し前ですが、5月1日に発売された「illustration FILE2014」に、宮古美智代さんからリコメンドしていただき、掲載されています。宮古さんとは2009年のペーターズギャラリーコンペティションで「宮古美智代賞」に選んでいただき、ペーターズギャラリーにて展示をさせていただいたことがあります。
思い出すと胸の熱くなる出来事です。本当に。「あなたの絵が好き。」と言っていただけることは、本当に天にも昇る気持ちになります。しかも、宮古さんは、しっかりと目を見て言ってくださって、嬉しくて「私もあなたが、、、好きです。」と言いそうになりました。あー、あのときの私を覚えてくださったのだなあ、、、。
5年も前の事なのに、今回又こうしてリコメンドしていただいたなんて。今回の事が、「ダッシュ!」の装画にも繋がったのでした。ありがたい、、、。誰かが見ていてくれる、ありがたくて、、、励まされます。
このように、、、下巻の最初の方に載っています。顔写真は、それこそ5年前のそのまま使っちまっただから、夫に「若いの使うなんて、、ええんか?」と言われたけど。え?私そんなに変わった?と思っているのは自分だけなんでしょうね。はい、すいません。
しかし、このイラストレーションファイルには、それこそ膨大な数のイラストレーターの皆様が載っておられるわけです。見ているうちに「私なんて、私なんて、、、。」みたいな卑屈な気持ちになったりするので、こわくてよく見ていない、、、。と、こういう心構えがいかんのよ。卑屈になったらおしまいじゃよ。こうして宮古さんも忘れずにいてくれたんだから、頑張らんといかんぜよ!がんばります。宮古さん、本当にありがとうございます。
出来たー!!!三重出身の童話作家村上しいこさんが初めて書いた青春小説「ダッシュ!」ついに出来上がりました。村上しいこさんは以前伊勢でご本人とお会いして、このブログでも紹介させていただきました。今回私は、装丁画と、中の挿絵を描かせていただいたのです!
三重繋がり、かつ、今回のお話は陸上部のお話で、私の夫が陸上をずっとやっていて、陸上繋がりということもあり、お互いが「う、うんめい、、、!!」と感じました。その他、私が2年前住んでいた愛知県の一宮市が、編集者の中川さんの旦那様の出身地など、細かい偶然が重なり、、私の中で異様に高揚感が続く絵のお仕事でした。
今回はまだ私の子どもが小さいという事で、打ち合わせにしろ何にしろ、本当にデザインの坂川さんにも講談社編集者の中川さんにもたくさんのご配慮をいただき、しばしありがたさに涙することもありました。
作家のしいこさんとは、伊勢の陸上競技場で直接お会いして、しかもそのときに実際に本の中でモデルとなった陸上部の監督さんともお会いする事ができて、すごく貴重な経験もさせていただきました。このお話は、中学校陸上部の女の子の成長の物語なのですが、しいこさんは実際に三重県のある中学校の陸上部に数年に渡り密着取材して、深く深く中学生達と関わり、この本が出来上がったのです。しいこさんは、その陸上部の女の子達の話をするときに、本当に愛しそうに話をするのです。「あのこは本当にがんばり屋さんなんよね。」とか「くやしくて、あのときは声がかけられなくて。」とか「監督や他のコには話せない話も、私にはしてくれたりするんだよ。」とか、本当にキラキラとした目をして話してくれました。
そのしいこさんの愛おしい眼差しが、この「ダッシュ!」には隅々まで込められています。本当はしいこさん自身が経験したことなんじゃないかと思うくらいに、緊張感、臨場感、中学生の単純ではない心の動き、息づかいが伝わって来ます。それは、実際に深く深く直接中学生と関わったしいこさんだから描けたものです。
私は絵を描くという形で、この「ダッシュ!」に関われた事が、すごく嬉しかったです。どうもありがとうございました。