全人類は、この痛みに耐えて増殖してきたのかと思うと本当に信じられないと思った。本当に痛かった。こんなに痛いの自分だけなんじゃないだろうかと思った。「私は死ぬんだ。赤ちゃんを見ずにきっと死ぬんだ」と本気で思った。体型もオケツもどうみたって安産型だったのに、私の母は2時間で出産を終えたのに、私は院長先生にも看護婦さんにも「あんた、大変やったね。」と言われたのでやはり難産だったのだ。
そんで今、ウルトラG(痔)になってしまい歩行も座るのも困難な日々が続いています。みんなが通ると言われる「会陰切開」も、私はものすごい奥深くまで裂けてしまい、しばらくは痛くて寝られなかったです。このブログも、まだ立って書いています。ご飯も立って食べています。
出産の愚痴をもっと書きたいけど、本日はここまでがやっとです。座れるようになったら、また書きます。
赤ちゃんは元気です。夫に激似で、私に似ている部分が全く見当たらないけど、夫も喜んでいるので良かったです。長い間お腹の中で培養していたかいあって、もりもりミルクを飲んで、ぶりぶりウンコをして、寝言を言いながらグーグー寝ています。痔は出ようとも、赤ちゃんはかわいい。
そう、私はこれが目的でした。夫はシューズ、私は展示。銀座へ走り去った夫を見送り、12時オープンのギャラリーDAZZLEさんへ。ここは以前「ポスター展」という展示でもお世話になりました。
今回は48人ものイラストレーターが参加しているので、多種多様で見ていてすごく面白かったです。一人のイラストレーターにつき一文字、読み札も絵札も両方考えます。文字を選ぶのは早い者勝ち、私は色々悩んだ結果、「ひ」を選びました。悩んだ割に、なんで「ひ」を選んだのかもう忘れた。確か先に描きたい絵があって、それに無理矢理文字を当てはめたような、、、。
私の「ひ」のカルタ。なんか描いてるうちにどんどん毛量が増えていって、ライオンみたいな女子になってしまった。「これは瀬島さん自身の事を描いているのですか?」と色んな方に言われましたが、そんなことは何も考えていませんでした。ただ天パの寂しそうな女の子が描きたかっただけでした。時代は勝手に昭和と決めて。
一応、引っ越しトラックを見送っている図なのです。すべては妄想から始まります。
他の方の作品も、とにかく色々でおもしろいです。「ワイルドは みんなちがって みんないい」とか「おっぱいは 手のひらサイズの ちょっと大きめが理想です」とか、皆さん自由に楽しんでおります。しかもこのカルタは、ちゃんと販売しています。ギャラリーにて。わたくしもいただきました。一生の思い出だ。子どもと遊ぼう。
6月にいただいた装画のお仕事の文庫が、8月10日に出版されます。
「走れ、セナ!」という文庫で講談社から出ています。著者は香坂直さんです。
このお仕事をいただいた時は本当に嬉しくて嬉しくて。陸上を一生懸命頑張る小学生のお話なんです。小学生の話だから子ども向けのお話なのかと言ったら、実は大人の方にそこ読んでほしい。私は少なくとも読んでいる途中に3回泣きましたからね。おんおん泣きました。セナちゃんの言葉で綴られる物語は、私達大人が思う小学生、、、ではあるんですが、本当にその子が存在してるんです。(何を言ってるのか分からなくなって来ましたが)こういうとき、人はリアルというのかもしれないけど。
セナちゃんは本当に生きていて、こういうことを考えている。周りの大人の事をこう見てて、同級生の事をこう思ってる。今は、とにかく速く走りたいと思ってるのに、大人の変な事情でうまくいかなかったり、どうにかしようとして自分なりに色々考えてる。うちにはなぜかお父さんがいないけど、お母さんのことはすごく好きなんだよ。
講談社の方曰く、「このお話は、児童向けではあるけれども、もっと幅広い世代の方に読んでいただきたいと思って、今回改めて文庫で出そうと思ったんです。」と。
それがすごくよく分かる。セナちゃんが色んな子につけたあだ名の由来を、セナちゃんの言葉で説明してくれるところなんか私はすごく好きでした。
彼女があまりにも生き生きとしすぎていて、描く方は混迷を極めました。夫が今も陸上を続けていて、幸いにも陸上雑誌は山のように手元にあったので本当に助かりました。泣きそうでもなく、笑い出しそうでもなく、苦しい顔でもない。走るのが好きなんだと、前を向いて走る彼女を探して描きました。
2009年冬号から、朝日新聞出版の小説「トリッパー」で連載されていた前田司郎さんの「濡れた太陽」がついに単行本として出版されました。私は毎回扉絵を描いていました。発売日は本日7日のはず、、、。本屋さんに行ってきます。
この作品には想いがたくさんあります。扉絵を8話分描いて、その間にNHKのスタジオパークに著者の前田さんが出演されたりして、お会いした事もないのに、なんだか勝手にすごい身近に感じて一人でテレビの前で照れたり。
男の子を描くのが苦手なので、何度も描き直しては失敗したり。集団もあまり描いたことなかったので、構図をすごい考えたり。私にとっては毎回挑戦でした。仕事でないときは、自分が得意なものしか描かないけど、お仕事として描く時はやはり挑戦もしたいし、こんなにも緊張するものなんだなとすごく感じました。とてもいい経験をさせていただいたと思います。
表紙でわかると思うのですが、学園物です。高校演劇の話なんです。それでもって、前田さんの自伝になっています。最初は自伝だと知らなかったのですが、スタジオパークで前田さんが「僕は4月生まれだから自分に根拠のない自信があったんです。」みたいな話を、主人公の太陽君もしていたので途中からはっきりと自伝だ!と確信しました。
毎回もちろん原稿を読むのですが、毎回笑っていました。おもしろいフレーズが何個もあって、見つけるたびに蛍光ペンでそこをなぞっていました。本当にいい意味で細かいんです。「確かに高校生のときそんなこと思ってたけど、そんな事まで書いちゃうの?」といつも思っていました。
昔、作家の都築響一さんが「前の方を向いてどんどん研究や開発をしてくれるのは、ほかの研究者やエラい人に任せておいて、僕らは後ろを振り返って過去を掘り返したり、しゃがんでつっついたりしたい」みたいなことを言っていたんですが、前田さんのこの作品はまさにそれなのです。
恥ずかしい事や情けなかった事がいっぱい、本当に私達はアホだった。そこのリアルさと言ったら!このうまく言い表せない感覚を文章では今まで読んだ事がなかったけれど、間違いなくみんな知ってるでしょう。これは高校生のときの私達自身の話です。みんなが忘れていた事を、はっきりと、文章に残してくれたことが私は嬉しいのです。
本屋で少し手に取って、まずは折り返しにある前田さん自身による登場人物紹介を読んでみてください。その短い文章でさえ、懐かしくて笑えてきますから。
私は少しでも、この「濡れた太陽」に関わる事ができて本当に嬉しく思っています。素敵な本を書いてくださった前田さん、未熟なイラストレーターにこの仕事を任せてくださった朝日新聞出版の山田さん、どうもありがとうございました。
今年もグループ展に参加いたします。今回は、デザイナーさんとチームを組んで一枚のポスターを制作するという企画でした。デザイナーさんもすごい方々です。恐縮しつつ奮闘いたしました。笑ったり泣いたり、私の中では勝手に情熱大陸のテーマソングが流れていました。
わたくしとしては「や、や、やったぜ!」という気持ちです。すごく出し切れた爽快感があります。トイレの事ではございませんよ。お時間ございます方、奮ってご来場くださいませ。DMおそらくまだ届いていないかと思いますが、これを見てくださったそこのあなた様に、恐らく届くはずです。
わたくしのミスで届かなかった方、こちらにでっかく貼付けたので、詳細すべてお分かりになるかと思います。奮ってご来場ください。
ちなみに、オープニングは25日の火曜日で、この日は1月2日のデパートの初売りのごとく混雑することが予想されますので、18時前に展示物をあらかじめ鑑賞しておいてくださいませ。普通の状態では見られません。そうせねば、18時以降はインドのバスの中のごとく混雑した中で見ることになります。お気をつけください。
恐らく当日は、私はとても混乱していると思いますので、十分な対応をできないこともあるかもしれませんが、会場でお待ち申し上げております。