今センダックが話題なので、センダックの代表作「まどのそとのそのまたむこう」をご紹介致します。これも昔からうちにあった絵本ですが、小さい頃は自分の中で「ホラー」に位置づけられていました。
どこが、といいますと、氷で作られた赤ちゃんの人形が出てくるのですが、この描写がホラー以外の何ものでもありません。犬木かなこの世界です。母親に本を読んでもらう時に、このページはなるべく開かないようにしてくれと頼んでいました。
あとは「ゴブリン」という謎の生き物が出てくるのですが、これもよくわかりません。よくわからないけど、とにかく怖いのです。この「ゴブリン」という響きが。「うりこひめ」という日本昔話に出てくる「あまのじゃく」という妖怪とほぼ同じものだと私は位置づけています。
この「まどのそとのそのまたむこう」は、センダックの絵本の中でも一番絵が「生々しい」絵本だと思います。赤ちゃんの皮膚のしわ、赤み、泣き顔、少女の表情、すべてが生々しくて、だからこそ強烈なインパクトを与えてきます。時にホラーに思える程に。それが子どもの時に、容易に手に取れなかった特別で神聖な本として私には映りました。
でました、14ひきシリーズ。数ある14匹シリーズのなかで、間違いなく我が家には「食い物」を全面におしだしたこの一冊しかありません。これは、14匹のねずみ一家の日常を描いた、いわむらかずおさんの大人気絵本です。
この絵本のいいところは、知られざるネズミの家の内部までが克明に描かれていることと、14匹が忠実に自分の役目をこなしている所に胸を打たれるのですよ。長男のいっくんは本当に面倒見がよくて、ごうくんはいたずら好きで、さっちゃんはお料理も手伝います。それぞれがそれぞれらしく支え合っています。
そして、この「あさごはん」のメニューにずっと憧れを抱いています。この「ドングリぱん」を思い出しながら、何度「どんぐりって食べれるの?」と母に質問した事でしょうか。「よ〜し、じゃあママと一緒に作ろうか!」という答えではなく、いつも「しぶいで、やめとき」という返事しかもらえず、実際にかじってみましたが、想像を絶する渋さでした。「やっぱり人間とネズミは違うんだ、、、。」と実感した瞬間でした。
実家に帰って来て4ヶ月あまり、、、。ひたすら思いでを振り返りまくっている日々が続いています。小さい頃に大好きだった絵本がごろごろしているので、絵本紹介でもします。
私は子どもがどんな本が好きかっていったら、確実に「食い物」の絵本がナンバーワンだと信じています。なぜなら自分がそうだったから。「次のページにいったらパンケーキの絵が出てくる」と思っただけでもうページをめくりたくてたまらんのです。
この「こぶたはなこさんのおべんとう」という絵本は、食べるのも作るのも大好きな「こぶたはなこさん」が、親友の「こりすすみえさん」と一緒に弁当をめちゃくちゃいっぱいもってピクニックにいくというお話なのですが、なにせこぶたはなこさんは見ての通り食いしん坊なので、お花畑につく前にお弁当を全部食べ終わってしまいます。もう、この食いしん坊の憎めなさ。そして、傍らにいるしっかりもので優しい親友「こりすすみえさん」の存在。読み終わったあとの幸福感たるや、私の持っている絵本でナンバーワンです。
小さい時は、お腹がすいたらこの絵本を見ては飢えをしのいでいました。食べ物がおいしそうに描かれているのはもちろんですが、「もりの健康印小麦粉」とか「みはらし山特選りんご」だとか、いちいち芸が細かいのも、子どもながらに楽しかったのでした。
そういえば、うちからちゃりんこで行ける距離のところに、いわさきちひろ美術館があることを思い出したので、ママチャリにまたがり行って来ました。
知ってましたか?いわさきちひろって、戦前生まれなんですよ。一時満州とかにまで赴いたりしてます。嫌々結婚した旦那が結婚一ヶ月で自殺。もう結婚はしないだろうと思っていた32歳の頃、23歳の共産党員の男性と結婚。いや〜戦後の混乱期ってすごいんですね。しかも70年代に亡くなっている。そんなに前に亡くなっているのに、彼女を知らない人はそんなにいないのでは。
毒の無いぼんやりした絵を描く人、だと思っていましたが、実際ちゃんと見ると、ものすごい的確な線を引く人なんだということ。童画家という肩書きですが、大人にならないとわからない魅力があるような気がしました。幸福を描いているようで、どうしてあんなに寂しい気持ちにさせるのだろうと思うから。絵が「頼むから子どもを悲しませないでくださいね」と言っているようだ。
ベストセラーに弱いので読んでみました。いえ、村上春樹ももちろんとても好きです。
村上デビューは高校のときです。父の書斎にあった「ノルウェイの森」が最初です。最初はなんか暗くて疲れるだけだったのですが、ある日を境に猛烈に読みたくなりました。そっからはほとんどの作品を読みました。大学の時に、モテる友人が「これ読むとさ〜、なんか抱かれたくなるよね〜」というモテそうな台詞を吐いていたのをよく覚えています。
どこが好きかというと、例えまくるところです。「まるで〜のような〜だった」が多すぎて、且つ的確すぎてこの人はけっこうモノマネとかもできるんじゃないかと踏んでいます。
肝心の1Q84ですが、まだ読んでいないとき、私はでっかい声で「あいきゅうはちじゅうよんがさ〜」と得意げに言っていたのを恥ずかしく思っています。