8月17日に劇を観に行きました。映画はよく観に行きますが、劇は数えるほどしか行った事がなく、そわそわしました。大学時代の友人が出演しているので、これは行かねばと高円寺までバスで。
大学時代を知る友人が、ちゃんとその人のキャラクターに合った役を演じていたので素直に嬉しかったです。ものすごく親しいというわけではなかったのですが、またもや親戚のおばちゃんになった気持ちで、時の流れを感じました。女優さんは白い陶器のように輝いており、私がもしこの人に生まれたら「よし、女優になろう!」と思うに違いないと感じました。
一人一人の座席に、作家である鴻上尚史さんの書いた「ごあいさつ」の紙が置いてあって、その大学ノートに書かれた文章に、劇が始まる前からなぜかほろりとさせられました。
劇が終わってからエントランスでお見かけした鴻上さんは、なんだかできたての生麩のように柔らかそうでした。
板橋区立美術館にいってきました。イタリア・ボローニャ国際絵本原画展というのがなぜかこの小さい美術館で毎年やっているのです。トイレとか、和式しか無いところが年季はいっていました。和式が苦手な私は、久しぶりにあの辛気くさい経験をしました。
方向音痴のくせに一人で行ったので、成増駅から20分ほどの道のりを、地域住民に聞きまくりながら辿り着きました。かわいい親子が教えてくれた「林の中の木の階段の近道」を抜けていく、というファンタジックな体験ができたのでなんか得をしました。東京の人々の優しさに驚きながらの散歩でした。
展示自体は、人それぞれ、という感想です。特別展示のロベルト・インノチェンティの原画はとにかくすごかったです。端から端まで手を抜く事無く、細部に渡って魂が宿っていました。主人公の女の子の顔が常に具合が悪そうでした。
帰りは、あまりにしんどかったので駅直通バスに手を染めました。老人率99パーセントでした。少し老いた気がしました。
平成17年に新潮社から出された「海馬」という本です。著者は池谷裕二さんと糸井重里さん。
出版されてからだいぶ遅れて、私は今読みましたけど、電車で読んでて嬉しくて目を見開いたりにやにやしたりしてしまいました。ちょっと前の本なので、もう脳みそについての情報はめまぐるしく変わってるのかもしれませんけど、とにかく、読むとどんどん嬉しくなるので読んでほしいです。
難しい事を、難しくしか書いてない本は好きじゃないですけど、難しい事をわかりやすく、おもしろく伝えている本は頭がいいなあと思います。
『三人姉妹 あしたはみんな嫁にゆく
一人はチョコレートにまたがって地獄へ
一人はマロングラッセを抱いて魔界へ
一人は裸のままで夜の国へ』
寺山修司少女詩集より。
写真や映画もそうですが、絵が描きたくなる詩というのもたくさんあって、寺山修司さんのこの詩は特に絵が描きたくなるのです。描いた瞬間ぶちこわしそうでなかなか描けないのですが。
数あるお菓子のなかで、マロングラッセを選んでいるのが、よいのです。
昨日はお友達のグループ展に行って参りました。南長崎にあるTURNER GALLERYでやっております「hidden place」という展示です。オープニングパーティということで賑わっていました。
真剣に何かを鑑賞しようと思ったとき、自分ひとりの空間じゃないとなんでもあんまりよくわからないままです。人の存在というのが、私にとって一番気にかけてしまうものだからですけど。