

8月7日から渋谷区神宮前のOPAギャラリーで開催される「Re:女生徒」展に参加します。展示に参加するのは超超久しぶりです。お盆の時期なので色々難しいかもしれませんが、又吉さん効果でたくさん人が来てくれるといいな。
サイト:http://www.ne.jp/asahi/orihara/k/rejoseito/
ツイッター:https://twitter.com/ReJoseito
フェイスブック:https://www.facebook.com/pages/Re女生徒/1595796320672639

竹風堂で満足したあと、そこからまた1時間ほど車を走らせて黒姫にある黒姫童話館という絵本のミュージアムに行きました。今回宿泊した斑尾の高原ホテルもそうですが、この童話館も「なんでこんな辺鄙な場所に、、、!」というほどぐねぐねぐねと山道をひたすら走ってたどり着きます。
長野の山奥といえば、一昔前はスキーや別荘ビジネスで盛り上がったでしょうが、今はスキーブームも別荘ブームも過ぎ去りしという感。廃墟になったペンションやホテルがあちこちに見られます。そんな山奥の道なき道をくぐり抜けて、突然狐につままれたようにその童話感は現れます。
すんごい、立派。すんごい絶景。まさに夢物語の世界。現実世界に嫌気がさしたとき、すぐ近くにこんな場所があったらなと思わせます。手入れをされつくした美しく広大な芝生。石畳の道、庭にはヤギさんが数匹。目の前は高原が広がっていて、遊歩道もあります。平日は、おそらくほとんどお客さんはこないと思われるこの山奥に、あまりにも奇麗に手入れされた広大な芝生がなんだか本当に不思議でした。やっぱ夢の国だからね、荒れ果てる訳にはいかないものね。この広い土地をこれだけ手入れするって相当お金がかかってるんじゃないかとか、館内の係のおばさんとかカフェの人件費とか、なんだか心配になりました。余計なお世話だろうけど。でももうかなり昔からある施設だから、寄付とかでちゃんとやっていけるのでしょうね。ちょっとここで働いてみたいなとも思いました。

童話館の建物自体も、そうね、確かに白姫様が住んでいるというよりは黒姫様のお城という感じの堅牢な作り。中の展示は「モモ」で有名なミヒャエル・エンデの資料や長野の民話のお部屋などがあって、ふらっとついでに来るというよりは、「今日は一日ここで過ごす」というくらいの気合いが必要なくらい盛りだくさんでした。
ミヒャエルさんも、日本の長野の山奥に、自分の作品がメインにされているミュージアムが建てられると知って、ちゃんと来日して喜んでくれたようです。サインとかゆかりの品とかたくさんありました。

もちろん絵本を読むスペースもあります。この日は平日だったので私たちの家族だけでした。3人占めですね。この絵本スペースはガラス張りのお部屋だったのですが、どちらかというと私は絵本の日焼けが心配でした。夏は相当暑くなる気もしました。でもここのスペースで、私たち3人はしばし自分の好きな絵本を手に取って読みふけりました。自分が昔読んでいた絵本が見つかると、何とも言えない懐かしくて胸を締め付けられるような気持ちになります。
その他には、私の好きないわさきちひろさんの別荘がそのまま残されていて、中を見学できるようになっていました。はー、確かにここなら虫の声か鳥の鳴き声しか聞こえないでしょうからね、制作に集中できるでしょうね。私は怖くて、一人じゃとても住めないけど。
長野旅行はこれで終了。息子は、ほとんどずーっと機嫌が良く、ソフトクリームを毎日食べ、私も山道のうねうねで車酔いした以外は、家事もしなくていいから本当に楽しかったです。夫は長時間ドライブで疲労困憊したようでしたが、家族が機嫌がいいならそれでいいじゃないか。
旅行って本当に大好きです。またどっか行きたいな。

次の日、ホテルで英気を養い、気合い十分で再び斑尾のホテルから車で1時間の小布施へやってきました。そして無事に竹風堂の駐車場へ車を止め、まずは昼ご飯に繰り出しました。

昼ご飯は、ソバ!長野と言えばソバ。まさに竹風堂のそばにあったソバ屋さんです。まだ11時半だったというのに店内は大変賑わっており、早くも店のおばちゃんはテンパリ気味でした。
そばって、好きな人は本当にうんちくを垂れ流すほど好きですよね。とくにおじさん。うちの父もそうです。何カ所かお気に入りのそばやがあり、足しげくそこに通っています。私ははっきりいってあまりソバの味の善し悪しは分かりません。どちらかとえばうどん派です。でも名物というならソバを食います。
そんなことで天ぷらとざるそばのセットを頼んだのですが、息子は車内でずーっと「アイス、アイス」と言っていたので、ソバに大ブーイング。この日のために用意した携帯用の麺きりばさみを駆使してソバを細かくしてあげたりしても、ご機嫌は悪く、ハサミを下に落としたり、七味を振り落とそうとしたり名一杯のいたずらをしようとして、落ち着いて食べるような状況ではなかったです(それでも完食しましたけど)。

ソバを食べてすぐに栗みぞれはお腹に入らないので、周囲をぐるぐると散歩して無理矢理に腹を少し空け、やっとやってきました竹風堂。どうですか、この品格と風格を兼ね備えた本店の佇まい。数年前に入った松本のお店も、天井が高くて手入れされたお庭がすごく素敵な店でしたが、本店はまた違った趣がありました。二階の喫茶室へ行き、栗みぞれとところてんとりんごジュースを頼みました。

これがその栗みぞれ!見た目はけっこう、「ん?なんじゃこの泥だんごのようなものは。」と思うのですが、こ、この泥だんごのような栗あんが、絶品なんです。それを少しすくって、栗蜜がかかった氷とを一緒にたべると、栗の風味がぶわーっとお口にひろがり、冷たい氷と一緒に溶けていきます。一応食後だったので一杯のかき氷を3人で分け合いましたが、みんな取り合いに。
そひて栗みぞれだけではなく、今回私がところてん好きなもので、ところてんも注文してみましたが、こりゃあほんまもんの天草を使用しておりなさる!とすぐにわかるくらいの天草の香りと歯ごたえ。うまい!本当のところてんを初めて食べた気がしました。私は断然酢醤油派なのですが、関西では黒蜜をかけるところもあります。暑さにバテ気味の体に、つーんときりっと酢醤油ところてん。ああ、本当に美味しかった。私の期待を絶対に裏切らない竹風堂さんでした。あ、リンゴジュースももちろん美味しかったです。
なんだかグルメブログみたいになってしまいました。

長野に、初めて家族3人水入らずで旅行へ行きました。いつもだいたい私の両親やら姉やらがくっついていたので、(いや正確には私と息子がよくくっついていた)夫、私、息子の3人での旅行は初めてです。
なんで長野かっていうと、コープのレジャー紹介のチラシに「家族で遊んで泊まれる」という甘い言葉が書いてあったから。夏休みで混む前にいくべ!ということなのだった。でもいざそのホテルへ行ってみると、なんかシーズン前で、売りのラベンダー畑とか子どもが遊べるわんころパークだとかはまだやってなくて、意味が分からない感じになった。ただひたすらに遠かった。
長野というと、息子がまだこの世にいないときに夫と二人で旅行へ行った思い出がある。その時に、竹風堂という老舗の栗のお菓子屋さんに行って、そこで食べた栗みぞれというかき氷が忘れられない美味しさだったのです。夫もそのお菓子屋さんが大好きで、今回の長野ツアーに組み込まれていました。しかも小布施にある本店に行こうと。
東京からの長い長い道のり、思いのほか遠くて、もう一番近い竹風堂でいいやと途中で高速を降りて小さな支店に入りました。ところがそこでは栗みぞれはやっていなくて、再び小布施の本店を目指しました。もう夫は運転でヘロヘロ。やっとの思いで竹風堂の看板を見つけ、私は歓喜の声を上げました。ところが夫は突然右に曲がり、うねうねと奥まった駐車場へ。「ん?なんでこんな変な所に駐車場があるの?まあいいか」と、もう長旅で疲れていた私たちの脳内には正常な判断力というものが無くなっていたのです。
やっとの思いでたどり着いたその店は、竹風堂から数メートル離れた別の店、、、。それに全く気づかず、感激して写メまで撮って、店内に入り「あれ?なんだか前と雰囲気が違う、、、?こんなにカジュアルだったっけ?」と頭に?マークがひしめいておりました。それでも「栗のかき氷はありますか?」と聞くと、「今年はやっていません。」とのこと、、、。え!それを食べに来たのに、、、。とかなり落ち込んだものの、別の栗のお菓子を注文し食べましたが、全然美味しくなくてびっくり。あぜんとして悲しくて、肩を落として店を出ました。
私が落ち込みつつトイレに行って帰ってくると、夫が口をあんぐり開けて「しほちゃん!大変なものを見てしまった。今のは竹風堂やない!竹風堂はもう少し先にあったんだ!」と、、、。は?ああ、もう私たち疲れてるんだね。そうだよね。よく見て、店名が全然違うし店の雰囲気も全然違う。あほや。私たちはあほや。

でもね、、、。ふと周りを見渡すと、栗のお菓子やさんばっかり!!!どうやらここは栗のお菓子ストリートだったようで、ぐるっと見渡しただけで4軒くらい栗屋が軒を連ねていた。そ、そんなん知らんかったもん。もう焦って疲れて嬉しくて訳が分からなかったんだもん。
私はひとしきり夫に当たり散らした。殴りかかった。でも夫もずっと運転で、夫こそ疲れていた。ということで、笑い話にして、(殴りかかったけど)次の日にまた出直そうということになった。恐るべし栗ストリート。
息子は車が大好きなので終始ごきげんで、間違った栗屋のお菓子もほとんどたいらげ、車でたっぷり睡眠も取り、一人だけ元気だった。

大学時代の友人タマさんが、赤子を産んだといって遊びに来てくれました。赤ちゃんはまだ4ヶ月だというのに、タマさんはもりもりお出かけしているのだとか!すげー!私赤子が4ヶ月のころなんて、まだ自分の痔とか乳首の激痛とかおっぱいのカチカチ現象とかで外出なんて近所のスーパーがやっとだったぜ。
世の中には、なんというか、赤ちゃんを産むのに最適なボディを生まれながらに備えている人がいるんだと、タマさんの妊娠出産育児体験を聞いて思った。まず、結婚してすぐ妊娠。つわりなし、トラブルなし。里帰り出産のために実家へ帰り、「ん?これ陣痛?でも我慢できるから違うだろ。」みたいな感じだけど念のために病院へいったら速攻分娩台、20回ほどいきんで1時間くらいでするっと出産。看護師さんに「痛みに強いんでねーの?」となまりを全開で言われたそうな。
すごい、すごすぎる。そんな人聞いた事ない。出産ってみんな血反吐を吐く思いでするもんだと思ってた。少なくとも私は、「こんな事を乗り越えて人類が増えてきたなんて信じられん」と思う程しんどいと感じた。そんな私でさえつわりはなかったのだから、人にはそのことだけでもうらやましいと言われる。
しかもタマさんは、特に乳首トラブルもなくおっぱいも順調、赤ちゃんのアッキーは夜中の授乳もそれほど多くなく、いたって順調。小さなあごと、丸い目でとってもおりこうさん。すごい、すごすぎる。私は出産もしんどかったが、産後の痔とか膣の裂けっぷりの痛みで歩けなくなるとか、しっこがでないとか、体中の水分がおっぱいにとられて、うんこがダイアモンド級の固さになって痔が悪化とか、毎日「私、このまま死ぬのかな、、、。」とか思いながら過ごしてた。(今思ったら笑い話だけど、当時は深刻)
実家から東京へ引っ越した後も、さみしくてつらくてマンションのベランダで赤子を抱っこして泣いたりしながら「神様、どこでもドアをください」とかつぶやいたりして、おかしな感じにまでなっていた。
そんなことを思い出しながら、タマさん、あなたの体がほしい!と心底思いました。
タマさんとは、大学時代にマニアックな漫画をたくさん借りたり、夜中にアダルトアニメビデオ鑑賞会をして大笑いしたりと、彼女からは私の知らなかった世界をたくさん教えてもらいました。焦っている姿を見た事がないくらいいつも冷静で、落ち着いているけどいざしゃべってみると超おもしろくて、抜群に頭のいい女性です。私は自分の大学時代は、本当に楽しくて大好きな時間でしたが、そこにはいつも尊敬できたり、影響を受けたり、大笑いしたり、一緒に泣いたりできる友達がいたからだと思います。タマさんもその友人の一人で、こうしてお互い子どもを産んで、一緒におやつを食べながらおしゃべりできるということが本当に奇跡のように嬉しい事でした。
私を思い出してくれて、連絡をくれてありがとう。今度は私が会いに行きますね。