ShihoSeji Blog

イラストレーター瀬島志保子のブログ
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「知る」というワクワク。

最近読んだ本でとても面白かったのが、このジェノサイドという本。父が「おもしろいから読め!」としきりに騒いでいたので読みました。この本は本当に面白かったので、この本を読む為の時間がすごく欲しくて、毎日なんとなくワクワクした気分でした。確かうちに初めてネコがきたときも、朝起きるのが楽しみだったなあ。

ジェノサイドというのは「大量殺戮」という意味らしく、ものすごく物騒なタイトルですが、とっても緻密に取材されたエンターテイメント性の高い本でした。それで、すごくたくさんの世界が抱える問題が盛り込まれていて、勉強になりました。読み終えた後に、世界を見る目を少し変えてくれます。

私が特におもしろいと思ったのは、「漢字」というのはアルファベット等と比べると不合理な文字のように思われるかもしれないけど、視覚情報として脳の中に入ると表音文字よりも少ないステップで意味内容に結びつくので、勉強すればする程本が早く読めるようになるという話と、戦争開始を決定する最高権力者ほど、敵からの心理的物理的距離が離れた位置に置かれている、という話。他にも人種差別の話とか、科学の話とか、韓国人だけがもつ「ジョン」という感情の話についてとか。

一連の物語の中に、いくつも「世界の仕組みがちょっと理解できるようになる」話が入っていて、それでいてハリウッド映画のような娯楽性も同時に持っているすごい本でした。この本を書いた人は、世界がすこしでもいい方向を向いてくれるように、色々なメッセージを込めつつ、多くの人にそれを伝える為には娯楽性も重要だってことをちゃんと考えてくれたんだなあと思って、読んでいる時に嬉しくなりました。

 

 

  • 2012年1月31日
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母のおやつ。

年に3回くらいだけれど、母はおやつを作る。近頃はもっぱらチーズケーキだ。

昔から思っていたけど、母は「お菓子用の道具」というものに全然頼らない。いつもその辺にあったものを適当に使うので、制作過程がすごくかっこ悪い。写真のチーズケーキも、ケーキの型がないので周りをそばちょこが囲んでいる。ドーナツとかも、ペットボトルのフタとかでかさかさ作る。そしてすごく焦げたりする。だから結局、出来上がったあとも割とかっこわるい。

じゃあ味はきっとすごくいいのだろうと言いたい所だけど、ごくたまに悲しい味になったりする。私が東京に住んでいた時に、誕生日にこのチーズケーキが送られて来た事があって、ルームシェアしていた友達とワクワクして食べた。そしたら焼き魚の味がしたのだった。友達も私もとても驚いた、焼き魚の味のするチーズケーキというのは、すごく残念なのだ!しかもなぜか2本もそのときは送られて来て、友達ももう誰も食べてくれないし、私はその二本のチーズケーキを何日もかけて食べることになった。

その事を母に告げると「あ〜!そういえば直前に魚焼いてた!!」と嬉しそうに謎解きをしていた。

しかしかつて1度、母にしては奇跡のようにかっこいいお菓子を作った事があった。確か私が小学校高学年くらいだったはず。その日突然母は「ママは今からクレープシュゼットを作るからね。」といって、今まで1度も使ったことのない銅鍋でオレンジソースを作り、クレープをささっと焼いて、私の前に差し出した。そのクレープはとても美味しくておしゃれだったのだ。私は子どもながらに母はどうしてしまったのだろうと困惑した記憶がある。

私はその日の感動を今でも忘れない。本当にそれ一回きりだったのだから。

  • 2012年1月25日
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ドッペルゲンガーなエッセイ。

最近同僚の先生から「好きかと思って!」と言っていただきお借りした本、、、。たかぎなおこさんという三重県出身東京都在住のイラストレーターの方のコミックエッセイなんですが、、、。

ほぼ「わたし」でした。わたしの東京での生活を描いてくれているのかと、読むたびに衝撃を受けていました。3年前まで私も「三重出身、東京都在住イラストレーター」だったのですが、今は「三重出身、つくばに4年在住、東京都には5年在住、現在三重在住イラストレーター」です。

一人暮らしをしていたのは正確にはつくば時代の4年間だけなのですが(東京での5年間は友達とルームシェア)、も〜〜〜〜私の一人暮らし時代の気持ち、東京にいたときの気持ちが鏡のように映し出されていて、読んでいてとても懐かしい気持ちになりました。

例えば、新聞の勧誘がコワすぎて、断りきれずに3ヶ月分取ってしまったり(居留守を使うという事ができなかった)、新聞受けに新聞が入るたびにガチャンという音にびびってくやしかったり、キャッチセールスの存在をよく知らなくて、まんまとキャッチされのこのこついて行ったり、深夜に突然模様替えをしたくなって決行したり(それで結局失敗して元に戻すところまで一緒)、食べ物のマイブームが始まると、そればかり食べたくなってずっと同じ物を食べているとか(私の場合はオリーブとシーチキンの入ったスパゲッティを毎日食べていました)。

それとも女性の一人暮らしってみんなこんなものなのかな。それとも三重の人だからこうなのかな??

人にイチイチ伝えないような些細な「あるある、そうだよね」をとても細かく描写していておもしろいので、是非皆様も読んでみてください。

たかぎなおこさんの「ひとりぐらしも5年目」、「ひとりぐらしも9年目」です。

 

  • 2012年1月21日
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イケムラレイコ展。

もうすぐ会期が終わってしまう!と思って慌てて学校帰りに三重県立美術館で開催中の「イケムラレイコ うつりゆくもの」展に行って来ました。

三重県立美術館で展示する前は東京国立近代美術館でも展示されていた、堂々メジャー!な展覧会です。なんでまた三重県で?と思ってイケムラさんの略歴を見て納得。三重県津市にお生まれです!嬉しいな嬉しいな。地元出身というだけでどうしてこんなに嬉しいのだろう。

このイケムラさんは、大阪外語大在学中にスペインへ渡り、セビリア美術大学で美術を学んだ後、スイスへ移住し次にドイツで美術を学び、、、現在はケルンとベルリンにアトリエを構えて絵画、彫刻、ドローイング、写真など多岐にわたる作品を発表し続けているとな、、、。ほっほ〜〜〜〜〜。

自分の部屋が一番好きな場所の私には到底想像も及びません、遠い外国を転々として制作活動をするなど。今まで引っ越しの度にパソコンの接続のことで気分が憂鬱になっていた私になど、そんなこと到底できません。とにかく、自分にできないことをやっている人はみんなすごいなあと思います。

畑で野菜を作る事ができるおばあちゃんも、だからすごい。英語を教えているお姉ちゃんも、すごい。

メイン会場外に設置されていたイケムラさんの彫刻を写真を撮ってもいいか?と案内係のおばさまに尋ねると、わざわざどこかに電話をかけて聞いてくれた。フラッシュをたかなければいいらしいので撮った。私は写真が下手なので、あまりイケムラさんの魅力を皆様にお伝えする事ができないけど。

写真を撮っていたら、この美術館の会長さんが通りかかった。すると案内係のおばさまが慌てて写真を撮っている私の弁明を会長にしてくれていた。「フラッシュはたいておりませんのよ。」と。そしたら会長は「あ、うん。別にいいよ、全然。」と言って笑って通り過ぎていかれた。おばさまは私に「おほほほほ、今の会長様なんでございますのよ。」と言った。何かそれが一番面白かった。

  • 2012年1月15日
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年賀状戦争。

今年もやっと年賀状のシーズンが終わりました。我が家は毎年700枚年賀状を注文しますが、そのほとんどが父のものです。私は毎年ほんの30枚くらいですし、母も50枚程度です。

父は顔が広いというか、交友関係を整理できない人間なのです。交友関係だけではなく、父の部屋も常に空き巣被害に合った部屋のようにぐっちゃぐちゃです。ええ、片付けられない人間なのです。なので、相手からは年賀状がこなくなっても、毎年父はそのことに気付かず、一瞬でも年賀状やりとりが合った人には一生年賀状を書き続ける事でしょう。そうこうして膨らんでいった600人の友人知人に、毎年腱鞘炎になりながら年末やみくもに筆を走らせています。

私はイラストレーターなので、自分の年賀状は自分で印刷しますが、父と母の年賀状は母が毎年デザインしています。毎年、上の写真のようなゆる〜〜〜い干支のイラストです。

この母の干支イラスト、年によって出来にものすごくばらつきがあり、たまに奇跡のように素晴らしくかわいい絵が生まれたりします。母は出来の良かった年のイラストを眺めては「この年のあたしは、すごかった」と言ってため息をつくのです。

ちなみに、母の30年に渡るファミリー干支イラスト人生の中でのベストワンがこれ。この絵は、実は25年前に描かれたものなのですが、巡り巡ってトラ年の時には必ずこの奇跡のトラの絵を引っ張りだして来て使い回しています。

なので、もう三十路のはずの私達姉妹は、このトラのイラストの世界では永遠に5歳と4歳のままなのです。当時は昆虫のようにちんちくりんだった私も、今や体重は母を6キロ程超えて(なぜか身長は抜けなかったにもかかわらず)、かなりのボリュームに成長しました。

でも母は未だに私の事を「小さい子」と思い込んでいて、それが世間の母が思う末っ子というものなのか、と毎年ファミリー干支イラストの私をちんちくりんに描く母をみてそう思います。

 

  • 2012年1月12日
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