今年もやっと年賀状のシーズンが終わりました。我が家は毎年700枚年賀状を注文しますが、そのほとんどが父のものです。私は毎年ほんの30枚くらいですし、母も50枚程度です。
父は顔が広いというか、交友関係を整理できない人間なのです。交友関係だけではなく、父の部屋も常に空き巣被害に合った部屋のようにぐっちゃぐちゃです。ええ、片付けられない人間なのです。なので、相手からは年賀状がこなくなっても、毎年父はそのことに気付かず、一瞬でも年賀状やりとりが合った人には一生年賀状を書き続ける事でしょう。そうこうして膨らんでいった600人の友人知人に、毎年腱鞘炎になりながら年末やみくもに筆を走らせています。
私はイラストレーターなので、自分の年賀状は自分で印刷しますが、父と母の年賀状は母が毎年デザインしています。毎年、上の写真のようなゆる〜〜〜い干支のイラストです。
この母の干支イラスト、年によって出来にものすごくばらつきがあり、たまに奇跡のように素晴らしくかわいい絵が生まれたりします。母は出来の良かった年のイラストを眺めては「この年のあたしは、すごかった」と言ってため息をつくのです。
ちなみに、母の30年に渡るファミリー干支イラスト人生の中でのベストワンがこれ。この絵は、実は25年前に描かれたものなのですが、巡り巡ってトラ年の時には必ずこの奇跡のトラの絵を引っ張りだして来て使い回しています。
なので、もう三十路のはずの私達姉妹は、このトラのイラストの世界では永遠に5歳と4歳のままなのです。当時は昆虫のようにちんちくりんだった私も、今や体重は母を6キロ程超えて(なぜか身長は抜けなかったにもかかわらず)、かなりのボリュームに成長しました。
でも母は未だに私の事を「小さい子」と思い込んでいて、それが世間の母が思う末っ子というものなのか、と毎年ファミリー干支イラストの私をちんちくりんに描く母をみてそう思います。