久々に、「サントラを買おう」と思いましたです。静かな映画ではないけれど、多くを語らない映画なので、一体彼らが何者なのか、最後まで掴めないのでした。彼らが果たして正しいのか、彼らの母親が正しいのか、答えは出してくれません。
映画全体に漂う「金持ち特有の大雑把さ」が、ふわ〜んと夢見心地にさせてくれます。しゃれた空気を楽しむ映画な気がしました。
あまりにも名作と名高い映画だったので、自分が躍起になって観ようとしなくても、いつかふんわり観る機会が訪れるだろうと信じていましたが一向に訪れず、ついに行動に移しました。
刑務所ものに必ずといっていいほど出てくる暴力看守や凶悪なオカマの存在は、きっとこの映画で不動の地位を得たのだろうと思いました。
なにはともあれ、名場面、名台詞満載のまさに名作を「感動してみせるわ」という意気込みで観て予定通り感動できた事に私は安心しています。もうツタヤでこれをみかけても、やきもきしなくていいのね。
記憶を消す、という事業を請け負っている会社が、しれっとした顔で出てきます。知らないのは私だけ?といわんばかりにナチュラルに映画の中で浸透しています。
どう考えても空想的な事を、とても現実的に話に織り交ぜているのが、ミシェル・ゴンドリーらしさでしょうか。
この話は決して派手なラブストーリーではなく、むしろ地味です。半径100メートルの話、という感じです。だからこそ、全ての恋人達にあてはまる話で、人によってはつらさを克服できるか、またはとんでもないトラウマを抱え込む事にもなるかもしれません。
小学校の時に読んだファッッション雑誌で「ヴァネッサパラディみたいに着こなす」という記述を読んで以来、私にとってなんだか神がかった存在となっていたヴァネッサパラディ。よく知らないのに。
今回初めて動くヴァネッサを見て、やはり特別オーラがまき散らかされており、それを浴びました。
皆がヴァネッサヴァネッサ言っていた意味がよく分かりました。
ところで、フランス語の、つばが飛びそうな話し方が私は好きです。
私は今まで自分の事を腐女子だと思った事はありませんが、これには参りました。良かったです。
男同士というのは、力が対等なので、手加減が無いのです。本当にぶつかりあって愛し合ってるのです。
物理的にもぶつかりあってます。そこに、今までにはない感動を覚えました。
女であることをこんなに悲しく思った事はありませんでした。