登場人物が、全員あまり好きになれない。主人公でさえ、ヒロインでさえ。
だからといって、おもしろくないわけじゃない。ダンスシーンはもちろんとても素敵。これは多分永遠に素敵。
しかし、人物が、理解不能。友達になりたいと思う人が一人もいない。多分ペンキ屋のおやじくらい。
中国の上流階級の女性達が麻雀をするシーンがあるのですが、
そのときの女性達の美しい手元、滑らかで艶のある中国語の響き、バッグを開ける音、香水をつける仕草、その細かいシーンのひとつひとつにこくがあって官能的です。
「こういうのが観たい」という期待を一切裏切る事無く、それを上回り、まさにこれが観たかったんだよ、と思わせてくれました。
ヌードを惜しげも無く披露するタン・ウェイ、目が離せないくらい魅力的。小倉優子にちょっと似てる。
そんなにいい噂は聞いてなかったこの超大作。
現代と大昔の話が入り交じっているのですが、どっちかひとつの話を煮詰めてほしい感じでした。
ブータンの映像や音楽は、観る価値のあるものでした。
私の両親は大げさに話をするのが好きで、「またか」とよく思う事があります。
そして私自身も大げさに話をするのが好きで、「うそでしょ?」とよく友達に言われます。
しかし姉はありのままを話す人で、「オチは?」とよく人に言われています。
それがポリシー、とかそういうのではなく、ただのクセです。そのひとらしさです。
ディズニーランドに行ったくらいの、猛烈なエンターテイメントパワーに溺れて満足でした。
観た人を喜ばせたいという思いが溢れている。それに応えて、目を凝らして画面の隅々まで観てやるんだと思いました。でも途中でどうしてもチョコレートが食べたくなって、一時停止して家中のチョコレートを集めて観ました。
贅沢な一日でした。