ベルリンの壁が崩壊した時の世界中の興奮の意味を、当時小さかった私はよくわからなかった。今でもよくわからない。なぜ戦争なんてしたくない人の方が多いのに起きてしまうのか。壁なんて作ってしまったのか。なんだかすべてが子どもの幼さのような理由でもってして、人が人を傷つけているのではないのかと思ってしまう。
人を傷つける理由に、大人にしかわからない複雑な事情なんて存在しない。
ほんの何回かしか会ったことのないお互いを思って、つらい南北戦争を生き延びる男女のお話。
こんなつらい経験したことないからさ、共感とかではなくて、もはやファンタジー。でもきっと戦争とかあったら、男は死ぬ気で女を守って、女は献身的に支える、となって色々都合がいいこともあるのだろう。
幸せと気付かないで、文句垂れてばっかりにならないようにしたいなと思いました。
「僕らはうまくやるのは難しい。努力が必要だけど、僕はそれでも努力したい。君といたいから」というようなミスチルの歌詞と見紛うばかりの台詞が随所に出てきます。
夢のような恋物語です。まさにいい夢みさせてもろうたという感じです。
1950年代のアメリカ南部の夏が輝いています。
主人公の天才ヴァイオリニストチュン君を演じるのは、演技はまったく素人のヴァイオリニストの少年タン・ユン君。
他の役者さんがみんなとんでもなくオーバーな演技をしているなかで、むしろタン・ユン君の感情の読み取れなさがとても自然に思えます。本来人はこうだろ、と思います。むしろ思春期はそうだろ、と。
演技をしまくってる子役をみるのは、とてもつらいですから。
なんだかとにかくシリアスな大作が観たいと思って借りたら、予想以上にメッセージ性が強い物でした。
これを観て、行動に移す人、始めなくとも心に留めておく事、知る事、そういう人が少しでも増えてほしいと、監督は思って作ったのではないかと思います。自分にできることは何かと考えた時に、「映画で伝える事」というのが彼が取った手段なのだろうと。