ShihoSeji Blog

イラストレーター瀬島志保子のブログ
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ヌカどこを手に入れた!

ぬか漬けが本当に好きです。日本の誇らしい伝統料理だと思います。私は小さい頃からおばあちゃんの作ったぬか漬けを、一人で抱え込みながら全部食べていました。家族に分ける事もせず、全部私の物だと言わんばかりの食べっぷりでした。ぬか漬けに関しては非常に強欲者です。それを知っているばあさまたちは、私にたくさんぬか漬けを食べさせてくれました。

大阪のおばあちゃんは水なすの漬け物。三重のおばあちゃんは自分の庭で穫れたひんまがったきゅうり。私が帰ってくる時はいつもたくさん漬けてくれました。おばあちゃん達の手についたヌカの匂いも好きでした。おばあちゃんたちがでっかいカメに腰を曲げて野菜を押し込んでいる姿を見るのも好きで、よく後ろからのぞきこんでいました。

その不思議なヌカのカメには、釘が入っていたり、唐辛子が入っていたり、100年前から入ってるんじゃないかと疑うようなしなびきったナスビとかが「一朝一夕にできると思うなよ」という威圧感とともにカメにじっとしているのでした。それは私のようなひよっこが手を出す事を拒んでいるかのような神聖なものに私には映っていました。

だから、おばあちゃん達と離れて暮らすという事は、ぬか漬けに別れを告げる事と同じなのでした。

でも、私は食べたい。ぬか漬けが。手軽にモリモリ食べたい。そのことをずっと考えていたら、新聞の広告で見つけた。「発酵ぬかどこ」という商品。アマゾンでワンクリックで手に入れた!

なんと毎日かき回さなくてもいいの。釘とか自分で入れなくていいの!ジッパーを開けて、きゅうりをねじ込むだけで、9時間後にはつかっているという夢のようなヌカどこ。

失敗も挫折もなく、ぬか漬けができてしまった。でもなんだか一抹の悲しさがよぎったのはどうして?手軽さってこういうことなんだな。楽だけど、私が得たのは、本当にきゅうりのぬか漬けだけなのだ。知識と経験は増えないのだ。私は誰にも「ヌカ作りの知恵」を伝える事はできなくて、ジッパーを開けて突っ込んだキュウリを引っこ抜いて、二人のばあちゃんとは違う味のぬか漬けをバリバリとひたすら口へ運んだ。まあ、やっぱり美味しいんだけどさ。

いつかはマイヌカ床、、、。

 

 

  • 2012年5月15日
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植物物語。

今、我が家で一番可愛がっているものがこれです。今流行の多肉植物。これは前に勤務していた学校の保健の先生からいただいたものです。朝な夕なになでていたら、最近妙に葉がぽろっと落ちるようになったので、自らにおさわり禁止令を出したくらいです。その保健の先生からこれまで2回植物をもらったことがありますが、いつもすごく可愛くておまけに何だか知らないけど異常に長持ちする植物をくれます。

1月にいただいた鉢植えが「ん?まだイケる?」と思ってずっと飾っていたら、よくみたら全部ドライフラワーになっていました。

ドライフラワーといえば、少し前に私の姉のことで衝撃を受けたことがありました。姉は、造花の水を換えていたのです。あれには驚きました。その前は、何にも植えていない鉢に水をやっていました。そんな植物に無関心な彼女は、農家になりたいと言っています。これも今流行ですね。姉はああ見えて流行には敏感なのです。KinKi Kidsのこともいち早くブロマイドを手に入れていたくらいです。

どうでもいい話が続きますが、私は青シソが大好きなのです。お刺身についている青シソは農薬がすごいらしいのですが、どうしても食べたくていつも食べてしまいます。私にとっては脱法ハーブのようなものです。

去年の夏はおばあちゃんの畑に、それはそれは無法地帯のようにシソがはびこってくれていたのですが、今年は私は愛知に引っ越してしまって、ちょっとそこまでシソの葉を摘んでこようというシソ道楽の日々が終わりを告げてしまいました。なので、シソの葉がおばあちゃんちから発芽したら、私におくれと前から母にしつこく頼んでいました。

そしてついに母から荷物が届きました。土がちょろっとついたちんちくりんのシソの葉っぱが。もう息も絶え絶えのシソ達は「早く土に戻せー」と喘いでおるかのようでした。私は急いで自転車にまたがり、夜のアピタに土を買いに行きました。それプラス公園の砂利をひとつかみ拝借してブレンドした土にシソを植えたのです。

「大きくなあれ〜」と唱えて。

次の朝、シソは死んでいました。小学校の頃縁日で買ったヒヨコが、次の日の朝死んでしまったことを思い出しました。縁日のヒヨコも前の晩にかいがいしく世話をして、これからのヒヨコとの素晴らしい日々を思い描いて眠りについたのでした。

母はあの時と同じように、生き物を育てる事の難しさをまた私に教えようとしたのでしょうか、、、。もう私も結構大人になったから、命は大事にしてるつもりよ。今度はもっと大きなシソの葉をちょうだい。

 

  • 2012年5月10日
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13回忌と50回忌、さらに納骨。

GWは死者と語るフェアでした。私が大学1年生の時に亡くなったおじいちゃんの13回忌と、私が生まれる遥か前に亡くなったひいじいちゃんの50回忌(!!)でした。死んで50年経っても振り返ってもらうってすごいことだぜ、、、。私は自分の死後50年なんて想像もできない。

田舎は法事が盛んで盛大。盛んすぎて若者は辟易しているけど、おばあちゃんは自分の最後の大仕事だと思って、かなり前から着々とこの日の為に準備していたそうな。うちの母や伯母さんたちはそのせいで色々もめたりもしたそうな。とにかくおばあちゃんにとっては大地を揺るがす大イベントだったのだ。

私は愛知から都会育ちの夫と参加し、場所を変えて3回もお経を唱える田舎の法事に夫はびっくりしていた。私だってびっくりしたよ、法事の度にびっくりしてるよ。

ジャンクロード=ヴァンダムと木梨憲武に似ているおじいちゃんに、私はそれはもう可愛がってもらって、首の骨が折れる程頭をなでてもらったことをよく覚えています。この絵は私が高校生の時におじいちゃんとおばあちゃんの金婚式を祝って描いた油絵です。大きく描き過ぎておじいちゃんとおばあちゃんがベトちゃんドクちゃんみたいにくっついてしまいました。ヘタクソですがよく似ていると評判です。

私が大学に入学した年の5月に、おじいちゃんは泥酔したままお風呂に入って死んでしまいました。私はその時初めて身近な存在の人を亡くし、人の死が与える衝撃と空洞というものを感じました。死ぬという事はもう会えないということなのだ。今までそのひとが居た定位置のイスにはもうその人は座らないし、声を聞く事もない、箸もちゃわんも持ち主がいなくなる。持ち主がいなくなってもそこにまだ痕跡がある。ブラシにはその人の髪の毛がついていたりする。一緒に住んでいた残された者は、その痕跡とともに生きていかなければいけない。会いたいなあと思いながら。

そしてそれは人類みんなが経験することなのだ。とにかく私はおじいちゃんの死で、人の死を理解した。自分の死がこわいのではない。大切な人の死が何よりもこわいのだと知った。

次の日には私達一家は今度は京都へ行き、3年前に亡くなった大阪のおばあちゃんの納骨をようやく務めました。薄暗いお堂で、若いお坊さんが私達4人と、亡くなったおばあちゃんの為だけにお経を唱えてくれます。

その心地よいリズムの中、父が大きないびきを一瞬かいて、私達は冷や汗を流しました。私達はまだ生きていますから、眠くもなるしお腹もすくのです。しょうがない、しょうがない。

 

 

 

 

  • 2012年5月7日
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高山二日目〜街に慣れてきた編〜

飛騨高山といえば朴葉味噌。これは旅館の朝食についてたやつですけど、なんか小さい?外国の人とかが見たら、きっとジャングルの奥地に住む少数民族の料理みたいに見えるだろう。バナナの皮で包む〜、蒸す〜。みたいなやつ。でも食べると猛烈に日本を感じます。

昨日は朝早く起き過ぎてエネルギーが早めに枯渇したため、高山市内をまだ見足りていない私達は二日目も懲りずに高山市内へ繰り出す。

あら〜風情のある景色だこと!外国の方も大勢観光してました。KYOTOだけじゃないぜよ、日本は。三重にも来てね。味噌を売る店、団子を売る店、ラーメンを売る店、飛騨牛の串焼きを売る店、漬け物を売る店、サルボボを売る店、飛騨の木を使った家具を売る店、だいたい大きく分けるとこういう感じで街が構成されています。二日目となると色々分かってくる。

おもしろそうな施設を発見!「高山昭和館」ですって。その名の通り昭和が詰まった館です。館内は一つの街のような作りになっていて、電気屋さんや映画館、おもちゃやさん、小学校、床屋さんお医者さんなどがあります。相当見応えあります。私は1982年生まれなので、昭和を懐かしむというほどの世代ではないにも関わらず、やはり懐かしいのです。携帯端末をこよなく愛する私の夫は、あまり興味がもてなさそうでした。

「なぜ懐かしいのかしら、、、?」と思いながら館内を散策していると、あああああ!!!私の姉の部屋に今も佇むノラクロ君の目覚まし時計が陳列されてる、、、。さらにいい、よく見るとうちの実家やおばあちゃんちで現役バリバリで使われている電子レンジや炊飯器やら文房具やらが「昭和」として陳列されていた。我が家はまだ昭和の中にいたのだった。そう考えると入館料まで払ってうっとりしている自分があほらしく思えてきた。なんだこれ、うちのばあちゃんちじゃん。

そう言いつつ、昭和を引きずる私はレトロな異国情緒漂う喫茶店へ入りました。素敵だなー!!このお店。やっぱりカフェより喫茶店だろ!ツタの絡まる家に住むのが夢なのだ。そう思ってまたおばあちゃんちを思い出したら、ツタぼーぼーだった。もう満たされてた。夢達成。

見てけろ、このかわいすぎる飲み物。ただの飲むヨーグルトなんだけど、グラスとレモンでこれだけときめくビジュアルになるのだった。飲んだらやっぱりただの飲むヨーグルトだったよ!!でも嬉しい。夫はなぜか牛乳とモンブランを注文。飛騨牛乳らしいけど、夫曰く「普通だ」とのことでした。でもいいんだ、私はこの喫茶店が好きだ。頑固そうなおじさんがやってるんじゃなくて、素敵な婦人が切り盛りしてるのも良かった。店内に飾ってある生花もすごく良かった。

喫茶店を出ると、惜しみながらもなんとなく家に帰ろうという感じだった。岐阜から我が家はやはりすごく近くて、あっという間に着いてしまった。楽しかったな〜。その日の夜はうちから歩いて5分の焼き鳥屋へ行った。

 

  • 2012年5月1日
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飛騨高山へいく。〜4時起き編〜

夫は旅行が好き。休みが3日続くと「どこかへ行きたい〜。」となります。なので今回も行って来ました一泊二日の飛騨高山。

今住んでいる一宮は岐阜に近いので、どうせなら渋滞もするかもしれんし近くの観光地へ行こうとなりました。飛騨高山っていったらさるぼぼと朴葉味噌しか思いつかなかったけど、高山ラーメンとか飛騨牛とか美味しいものもたくさんあるんだな。よく三重も「三重って何が有名なんだっけ〜?」と言われるもんなあ。

「朝市が有名らしい」と夫がいうので、二人とも低血圧なのに朝四時に起きて岐阜へ旅立ちました。

有名なはずの朝市でしたが、渋滞を見越して早く着き過ぎたためか閑散とした様子。朝から元気いっぱいの中国人観光客の声だけが響いていました。朝市のおばちゃんたちも全く活気がなくて、むしろそれが自然で私は少し安心しました。そりゃあ私達には初めての朝市でも、おばちゃんたちには新鮮みのない光景だものね。お隣さんもその次も自分も赤かぶばっかり売ってたってねえと内心は自分も思ってるんだろう?というような雰囲気でした。朝からご苦労様です。

朝は猛烈に寒かったのに、この後ぐんぐん気温は上昇して、帽子を忘れた私は三十路女としては致命的に紫外線を浴び続けることになりました。

すんごい並ぶと有名な高山ラーメン屋さんへ。これも早起きのおかげ。高山ラーメンの定義も何も知らないけど、これはすごく美味しかった。未だかつて見た事ないくらいの細麺で、あっさりしたスープも私は好きでした。

どこへ行ったか一目瞭然な一枚。顔出しはしないつもりでしたが、もう別に誰だっていいよね。顔ハメはフィットしてなきゃ意味がないので、顔が出過ぎるくらいまで前に出すべきです。光の具合が少しホラーだけど、フィットはしてるでしょ。

高山市内は、本当に売れてるのかと尋ねたいくらいさるぼぼを売っている。もうここらでさるぼぼの生産をストップしても多分大丈夫だよ、と私は心の中ですごく考えていた。多分どっかの倉庫にも、凄まじい量のサルボボ達が全然やってこない出荷のときをまってひっそりとしてるんじゃないかと想像したりした。牛の顔したサルボボとか、ウサギの耳のサルボボとか、もうサルボボって何だっけ?というくらい多種多様なさるぼぼが売られている。どうにかして目新しくしたいんだろうけど、今から女子高生の間で大流行するような気配はない。でもうちのおばあちゃんちにも先っちょにサルボボの人形がついた耳かきとかあったし、なんか昔誰かのランドセルにもついてたような気がする。

もう十分普及したから、いいじゃないか。

明日も懲りずに高山市内を紫外線を浴びて歩きます。

 

  • 2012年4月30日
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