三重に住んでいる母から荷物が届いた。ひと月に一度か二度は必ず荷物を送ってくれる母です。中身はその時々で様々で、野菜や米やお菓子が中心です。
今回は、果物とお菓子にコーヒー、それから座布団が三つ。私が、「ダイニングテーブルの椅子がぺっしゃんこでおけつが痛い、寒い。」と電話で訴え、「なんかうちに余ってないかえ?」と貧乏根性をみせたので、母が送ってくれたのだった。私は東京で何かが必要になると、まずは実家に何か余ってないかいつも尋ねる。実家というのは、大抵押し入れに何かが眠っていたりするような気がするからだ。
「座布団カバーは自分でどうにかするでさ。」と私は母に言ったけれど、届いた座布団には母が作った座布団カバーがしっかりとくっついていた。しかも私と夫と、まだ小さい息子用の小さい座布団もちゃんと送ってくれた。椅子に固定するためのヒモもちゃんとついていた。「あ、この座布団カバーの柄、めっちゃ懐かしい!」と私は思った。そのレトロなタオル地のカバーは、私が幼稚園まで住んでいたマンションで使っていたソファのカバーだった。つまりー、何年前になるのか考えたくないけど30年近く前の物ってことです。母は恐ろしく物持ちが良いのです。
ちなみにこの息子用のベビーチェアは、なんと私が使っていた物です。それこそ30年前。昔の物は案外作りがしっかりしているので今も大活躍しています。田舎は土地が広いので、物を保管する場所だけはあります。だから私は買うよりまずはいつも聞いてみるのです。「あれってどっかで眠ってない?」と。そして膨大な物の中からそれを引っ張りだしてくる母の記憶はなかなかにすごいと思います。最近の事は全然覚えられないらしいけど。
そして、今回の荷物に入っていたお菓子はキットカットのほうじ茶味です。京都にしか売っていないそうで、ネットでも買えないんだとか。そんなレアな商品なのですが、夫はキットカットの中でこれが一番好きらしく、常にこれを追い求めてきたのでした。たまにタブレットを開くとほうじ茶味のキットカットをネットで探した形跡があったりして、静かに情熱的にこのキットカットを求めていたらしいです。ちなみに私も一つ食べてみましたが、夫の気持ちは全く理解できませんでした。
それを私が姉に伝えた所、京都へ行った時についに発見したそうで、今回の荷物に入れてくれました。夫は毎朝一つキットカットを食べて出勤するので、仕事前のちょっと憂鬱な時間が、大好きな味のキットカットで少しでも明るくなればと思います。
ねえちゃん、ママどうもありがとう。おかげで私たちの生活は一段豊かになりました。