勤務している中学校の卒業式がありました。今年卒業するのは29名。人数が少ないので、その分みんなとても仲が良い。黒板の落書きも人数が少ないせいかシンプルです。下に散らばる紙吹雪を見て教頭先生が怒っていましたが、夕方なんと卒業生が掃除をしにきたらしい。なんという偉い子たちなんだ!
普段私は美術室にしか居ないので、普通教室に入る機会はほとんどないのですが、なんともウッディーな教室ですね。毎日山小屋気分。
卒業式なんて何年ぶりだろうと、楽しみにしておりました。自分が生徒の立場ではなく教員ブースから眺める事になろうとは思いもしませんでしたが、気持ちは生徒とあまり変わりません。緊張して壇上に向かう校長先生の後ろ姿を見守るくらいです。私が中学生の時の卒業式というのははっきりいって苦痛でしかなく、二時間同じ姿勢で、しかも静粛に礼儀正しく座っているというのは永遠とも思える時間でした。ちょっとでも私語をしようものなら、頭をふらつかせようものなら、めちゃんこ怖いK先生がすっとんできて頭をはたかれたものでした。起立のタイミング、礼のタイミングを全員合わせる為に何度もやり直し、今思えば北朝鮮となんら変わりない光景だったように思えます。
最近の卒業式はそうでもないみたいですね。在校生はかなりリラックスした姿勢で座っていましたから。
答辞を読む場面になり、やんちゃだけれど優秀なM君が壇上にあがりました。私は心の中で「M君が泣くはずはない」と思っていましたが、さすが器用なM君は昨日担任の先生に「オレが泣かな、やっぱあかんのやんなあ。頑張って泣くわあ」とぼやいていたそうです。答辞の後半、まさに山場という場面でさわやかにすすり泣くM君。うまい!うますぎる!それにつられて泣く生徒続出、先生も泣く!みせます、M君。私はM君に泣かせられたというより、担任のW先生が目頭をおさえたあたりでもらい泣きを無事に果たす事ができました。
ただでさえ生徒数の少ない学校ですが、明日からちょっと寂しくなります。