26日に、大阪府立体育館と大阪中央体育館で中学バレーボール全国大会が行なわれていました。
私が勤務している、生徒数100人に満たない小さな田舎の中学校から、なんと県の代表が3人も出たんです。これを奇跡と呼ばずになんという。しかも大阪でその大会が行われるとな。わざわざ私が大阪に行っている時にそんな、跳んで火に入らずしてどうするよ。ということで、呼ばれてもいないのに行った訳です。
朝早く三重から来ていた先生達とちゃっかり合流しました。スポーツとは無縁の人生を歩んできた私でしたが、スポーツをしている人々には昔から憧れがありました。あのキビキビしたしゃべり方、スパーンとした潔い考え方、ベリーショートの女性達、しゃかしゃかとしたジャージの音、上下関係やケジメについての厳しさ、団体行動の掟。どれをとっても美術の世界にはないものです。
なので、会場について、早速「おはようございまーーーーーーす!」という元気いっぱいの挨拶で、来場者を迎えるショートカットの女の子達を見てもうざわざわしました。会場ではアシックスのジャージやスポーツ用品が大量に売られていたのですが、それらの造りがちゃらちゃらしていなくて、本気な所もかっこよかったです。スポーツをやっている先生に聞いた所、本気の人はミズノかアシックスしか使わないよ。とのことでした。もうアディダスやナイキはちゃんちゃらおかしく見えて来ました。
女子と男子では会場が離れているので、まず栃木と闘って勝った女子を確認してからタクシーで中央体育館に向かいました。会場に着くと、男子はすでに三回戦目で沖縄と闘っていました。応援席は選手の家族と友人達でびっしりです。私の隣で応援していたおばあちゃんは「おまえら〜!!!今日は勝って帰るんだぞ!本気だからなあ!三重は強いんだぞおおお!!!」と何度も叫んでいて、おばあちゃんの愛がほとばしっていました。二セット目が終わった辺りでそのおばあちゃんは突然エンジンが停止して、ぼけ〜と座っていたのがおもしろかった。「燃え尽きたジョー」みたいに。
残念ながら男子は負けてしまいましたが、あれだけ激しく怒りながら応援していたおばあちゃんも、「よくやった!お前達は本当に頑張った!」と褒めたたえていて、選手達は気恥ずかしそうな、申し訳なさそうな、なんだかちょっと怒っているような表情をしていました。
担任の先生も保健の先生も、うっすら涙ぐんでいました。いつも学校で見せる表情とは違って、先生達の手から離れたところで頑張っている生徒の顔を見て、涙が出るのだろうなと思いました。
県大会なので、それぞれの県が自分の県名を応援する横断幕を掲げているのですが、「輝け!京都」だとかまあ色々ある中、大阪の横断幕がこわかったです。「いてまえ!大阪南」でした。