減塩を心がけたヘルシーなメニューの産院の食事。美味しい、確かに美味しいが、ばあちゃんのぬか漬けで育ったわしには、漬け物が無い事がさみしかった。
誘発分娩で産む事が決定したにも関わらず、以前動揺し続ける私に、超安産だった母は「あんなあ、もう腹くくるねん。ぐっと気持ちを締めて立ち向かわなしゃあないやん。二人目やし大丈夫やに。」と。確かに、、、私の周囲でも、私程出産を怖がっている者に会った事が無い。よーこちゃんは「これなら3人くらい産めると思ったで〜。」と言ったし、ひとみちゃんは「案外ああいう時程私は冷静になるんさなあ。」と言うし、かおりちゃんは「予想より100倍痛かったけど、叫ぶということは無かったかな。」と言った。玉さんに至っては「4回くらいいきんだら出た」とのこと。なんでや。みんななんでや。なんでみんなそんなに強いんや。私がおかしいんか?とびくびくしてほとんど眠れぬまま入院当日を迎えた。
我が家はみんな忙しいので、一人で車に乗って朝9時に産院へ。赤ちゃんの心音を確かめるために、機械を私のお腹につけている助産師さんが「誘発分娩納得してるんかな?まだ予定日より一日しか経ってないし、まだまだ待つ事も出来るんだよ?」と。えええええ!今更そんな迷うような事言わんでくれー!と心の中で叫ぶ私。「いえ、なんかお盆で人手が少なくなるらしいので。それに引き返して、また待つというのもしんどいかなと。ただ、また誘発かーという思いはあります。誘発で産んだ最初の子がすごく痛くて怖かったので。子宮口に風船入れて、薬を飲んで、点滴もして、そしたら死ぬ程痛くて。」と言ったら、助産師さんがびっくりした表情で「ええ!一日で3つもやったん?そんな事今なかなかしないよ?!赤ちゃんにもお母さんにもものすごいストレスかかるし、子宮が破裂するリスクだってあるんだよ?」と言われ、やっっぱりかー!だからあんなに辛かったんかー!と妙に納得。「うちは一日一つしかしないよ。お母さんと赤ちゃんの状態を診て、子宮に風船入れたら、その日はそれでおしまい。ゆっくりすすめるから。」との言葉に、安心して私はだーーーーーっと涙が。
その後、風船を入れる処置を菩薩女医にしていただいた。風船飛ばしは長男の時に経験済みだったので、余裕をかましていたがやはり痛かった。「無我の境地無我の境地」と頭の中でつぶやきながら耐えた。風船を飛ばして数時間後も特に私の体に何の変化も無く、私は快適すぎる独り部屋に移され昼ご飯を食べ、そこで日本男子体操の金メダルダイジェストを観賞しながら、感動のあまり泣きじゃくっていた。内村さんすごい!ブラックサンダーばっかり食べてるのに!
そのとき。昼ご飯に刺激された私は便意をもよおし、、、快適すぎるトイレで踏ん張った。そのとき。ぽっしょーん!という音とともに、うんこさんと風船とがぽろーんと子宮から出て来た。ちーん。風船飛ばし数時間で終了。あんな痛い思いをして飛ばしたのに、まさかもう一度?と思いながら恐る恐るナースコールをしたら、もう今日は入れないとのこと。あーよかった。
風船も何も入っていないただの人となった私は、そのままただ快適な入院生活を過ごした。オリンピックダイジェストにむせび泣き、快適に朝を迎えてしまった。いいの?こんなに楽してて?Vol3に続く。