子どもを産んでからしばらくは、「ああ、よく寝たぞ。」と思う事はたぶん母親なら少なくなるだろうと思う。そんなことを私がぼやくと「でも君のいびきすごいよ。」と夫は腑に落ちないといった顔で私を見るのだが、、、。
でも熟睡していないことを証拠に、夢をものすごく見るのだ。一晩に何本も。もはや3本立てレイトショーのように。その夢がだいたいすごく楽しいので、別に悪くないのだけど。ある日突然「せかいのおわり」のメンバーになったり、、、(特にファンでもないのに)自分にしか見えない謎の「とげ」につつかれるのに悩んだり、トイレに行きたい時に見る夢はだいたい入ろうとするトイレが全部超汚くてなかなか行けないというような、そんな夢を一晩で3本見ます。
子どもを産んだ直後、3ヶ月間は、夜間の授乳と乳腺炎と痔と産んだ際にできる傷が痛くてしばらく眠れない日々が続きました。体中が痛くて寝返りも打てない状態でした。産後があんなにも苦しい物だとは知らなかった。
3ヶ月間で夜中の授乳はだいたい収まるものよ。とか色々な人が言ってたけど、どっこいうちはまだまだ夜間の授乳がばりばり健在なのでした。もう1歳8ヶ月なのに。それもこれもおっぱいを断ち切れなかったせいだろうけど。
少なくとも夜中に2回は飲んでおる。以前は一回一回私も起きて座ってやってたけど、体がもたなくなってきたので、今はどうにか横になりながらやっています。息子は、夜中の2時頃にすごく眠りが浅くなるらしくて、その時にうとうと寝ては10分後にぐずるというのを3回くらい繰り返して3時頃にもう一度深く眠るというのが最近の定番というか習慣。
その際に腕枕をしないと寝ないので、私の手は朝硬直して冷たくなっています。寝返りもうてず、息子の冷たーい鼻息を顔面にあびて、顔がいつも非常に寒い。毎晩けっこう過酷な状況になるので、そんな時は、昔々のアフリカからアメリカに渡る黒人奴隷船に想いを馳せます。彼らはすし詰め状態の劣悪な船の中で手足をしばられて寝返りもうてず何日も航海したのだと。彼らのことを思うと、私の過酷さなんて屁でもないのだなあと思ってやりすごしたりします。
あと何年かすれば、手足をのばして寝返りも気にせず打てて、夢はせいぜい1本と言う日がもう一度やってくるのだ。その時を私は楽しみにしています。それまでは奴隷船よりは、、、と思いながら眠るようにしています。