朝の連続ドラマ小説「ごちそうさん」を毎日観ています。派手ではないですが、しみじみといいドラマだなあと思います。最初、こんなマサイ族級のスタイルの明治生まれがおるかいな、と主演の杏について納得があまりいってなかったのですが、ドラマの中でも「ごぼう!」とか『鉄骨!」とか杏が言われているのを見て、一応このスタイルはこの時代異端であるとの前提なのだなと思うと、だんだん愛着がわいてくるもんです。
というか、朝の連ドラというのは毎朝、毎朝同じ時刻に放送され、たいがい元気な主人公がおっちょこちょいをしでかし、もう「愛着」を最大の武器にしているドラマです。私もその愛着攻撃に毎回やられてずるずると観てしまっています。それでたいがい、新しく始まったばかりのころは「前の主人公の方がよかったよ、ふん。」みたいに、最初みんなから冷たくされているのではないでしょうか。ところが、回を重ねるごとに「今度の子もがんばっとるねえ、、、。」みたいに視聴者の心を掴んで行くのです。
私も最初杏について、夫に「杏が明治生まれって納得できるかあ?」とか文句を言っていたのですが、今や10ヶ月の息子と、「ごちそうさん」の主題歌が流れるや手拍子をする有様です。息子も、このゆずの主題歌を毎回楽しみにしていて、毎朝大騒ぎしています。
このドラマで杏は「いち主婦」です。本当に「主婦一本」です。現代だと、主婦一本女性をドラマに仕立てるのはなかなかに難しいですが(「子ども受験戦争がらみ」とか「ご近所不倫」とかどろどろになりそう)やはり時代は明治大正昭和の戦争の時代なんですね。これはいくらでもドラマになります。「どろどろ」ではなく、「困難を乗り越えて健気に明るく生きる女性」がばっちりはまる時代です。この時代に「くいもん」をどーんと押し込めて放送されています。美味しそうなもんがいっぱいでてきます。が、三食手を抜かない杏に対して、多少の劣等感を抱きつつ観ています。物資が少なかった時代のはずが、うちの食卓より遥かに豊かに見えます。やはり劣等感を抱きつつ、おなじみのテーマソングが流れると、息子と手拍子しています。