岐阜県の養老公園にある不思議テーマパーク「養老天命反転地」へ行って来ました。この公園は現代美術家の荒川修作と詩人のマドリン・ギンズさんのプロジェクトを実現した、芸術作品ともいえるテーマパークなのだそうな。
広大な敷地内には迷路状の建物やすり鉢状のフィールド、曲がりくねった回遊路など、日常にはまずないユニークなパビリオンが点在しています。すべて斜面で構成されたパーク内を回遊すると、非日常的な感覚を体験できます。というのが公園の説明書きにはなされています。
敷地内の建物には、それぞれ「昆虫山脈」や「極限で似るものの家」「白昼の混乱地帯」「もののあわれ変容器」といった、詩人が考えそうなかっこいい名前がついている。
友人ヨーコちゃんが「楽しかったよー。一宮に居る間にいってみたらー。」と言うておったので、ある晴れた日、夫と行ってみた。みかんとロッテのチョコパイ、水をリュックサックにいれて。
受付に行ってチケットを買うと、「作品内には窪地やすべりやすい斜面もございます。歩行には十分ご注意ください。ヘルメット及び運動靴の無料貸し出しを行なっております。また万一ケガをされたお客様にはミュージアムショップに救急箱もご用意しておりますので、お近くのスタッフにお声をおかけください。」という紙を渡された。
え。そんなに危ないの?私こんな妊娠中のでっかいお腹で何しに来たんだ、、、??とうっすら私は後悔し始めた。時期が悪いんやないか?その予感は的中した。
ほとんどの斜面も、段差も、迷路も、お腹がつっかえて大変だった。夫もいちいち手を貸さねばならず、私達はほとんど無言で歩を進めた。「失敗やったな。」「今来たらあかんだな、、、。」と私は一人ぶつぶつと文句を言っていた。身軽な身で来ていたら、かなり楽しかったはずだ。
見ると、健康体であるはずの夫もハアハア言っていた。広大な空間で、チョコパイを食べながら妙に心細かった。
そうして、まあだいたい分かったよ、という雰囲気になって私達は足早にこのパークを後にした。私は夕方猛烈な頭痛を発症して、そのまま朝まで床についた。お腹の子に申し訳ない気持ちになった。養老天命反転地にさえも申し訳なく思った。でも、反転地で刺激されたのか、その日の晩に初めての胎動が始まった。頭痛にうなされながら、お腹の子が私の腹を蹴っているのを感じて少しにやにやとした。
みなさん、ここを訪れる時は、お腹に子がいない時に、ズボンで、運動靴で、できれば両手をふさがれないバッグで、お弁当と飲み物をもって、冒険心を溢れさせて、元気な時に行ってください。