この夏に、一ヶ月半だけ児童クラブのバイトをした。まだあと一週間あるけど。まだ一週間もある、という気持ち。児童クラブというのは、放課後子どもを預かる施設で、私も小さい時に入っていて楽しい思い出しかないくらい楽しかった。ので、すごく親しみがあったのでした。夏休みは朝から子どもが来るので人員が足りなくなるらしく、バイトの募集があり、応募して、働くことになったわけです。
私は正直、子どもが好きなのかどうか分からない。なのでこのバイトも「ふふふ、私どうなんだろ?いけるのかしら?」というギャンブルじみた気持ちで応募した。でもなんとなく「子どもが好き」と言う事は正しい事で良い事なのだという世間の風潮があるではないか。だから私ももちろん面接には「子どもが好き」ということを全面に押し出したわけであります。
児童クラブの先生に「子どもはかわいいですよね、、、?」みたいなことをうっすら聞くと、「うるさいよ〜〜〜!!」と顔を渋くしておっしゃった。
あれは心の底から思っていたのだ。うるさい、本当にうるさいのだ、子どもは。子どもってすごい、ではなく、大人ってなんて大人なんだろうと私は大人を改めて尊敬した。しかも集団になるとジャンボジェット機が頭上を飛んで行くようだ。私は怒るタイミングも、怒鳴るタイミングもよく分からなくて、言う事をきかない子どもに毎日頭がのぼせるほどキーとなった。でもベテランの先生はそれはそれは上手に子どもをまとめあげ、座らせる。
もう集団をまとめあげることは到底私には無理なので、個人個人に狙いを定めて接した。個人で話すと、子どもはやはり楽しかった。オセロもいっぱいした。本もたくさん読んだ。昼寝の時は、一年生はみんなタオルケットの端を噛んでいるのがよかった。
子どもは必ずハナクソを食べるので、単刀直入になぜハナクソを食べるのか聞いてみた。「わかんない」と言われた。答えなどないのだった。私は子どもの頃、絶対にハナクソを食べなかった。それは自信をもって言える。なぜなら当時から「なぜまいちゃん(友達)はハナクソを食うのか?」ということを疑問に思っていたからだ。私は子どもに「小さいハナクソは食べてもいいけど、大きすぎるのはティッシュにくっつけようよ」と提案しておいた。そしたらその子はちゃんと小さいのは食べて、大きいのはティッシュにつけていた。そこには充実感を感じた。
全員の名前を覚えたけれど、もうすぐ夏休みが終わってしまう。私は子どもが好きじゃないかもしれないけど、それは私が子どもの事をうらやましく思っているからなのだと分かった。お母さんのお迎えが来て、すねたように嬉しそうに帰っていく子どもの時代が懐かしくてうらやましいからだった。