26日は姉の誕生日。でも当日は月曜日なので一日早いお誕生会のつもりで前日の25日に、かねてから姉が行きたいと行っていた大阪猪飼野のコリアンタウンへ。
英語教師をしている姉は、外国が大好き。ビバリーヒルズ青春白書を録画し続けていた中学生の頃から留学体験を繰り返し、大学はアメリカに行ってしまった。自分の部屋が世界で一番好きな場所の私とは正反対の人間です。そんな姉と外国へ旅行すると、後ろをついていくだけで息切れがする。現地の変わった食べ物を食べ歩き、あっというまに地下鉄の乗り方を覚え、時に自転車をレンタルしてどこかへ行ってしまう。「ホテルでのんびりしようよ」という私の言葉はいつも蹴散らされます。世界中が姉の庭なのです。
日本へ帰って来てからも、異国情緒溢れる場所を好む姉はいつもそういう場所を探しています。なので今回のコリアンタウンバースデーは姉にぴったり。
韓国と言えばキムチ。韓流スター風の若者からパンチパーマのオモニまでみんながキムチを売っています。キムチ大好き我がファミリーも、行列ができているキムチ屋さんに並び(こういうときは、姉と母が並んで私と父は所在なげに周囲をプラプラしている)白菜のキムチ1キロ、キュウリのキムチ1キロ、イカのキムチ1キロ、姉が食べたいと言った豚足(こういうのが食べたいと思うのが私には信じられない)と、どこで知ったか肌に良いとされるタラの干物を購入。並ばなかった罪滅ぼしに私と父が荷物を持つ。キムチの重みで指がちぎれそう。
お昼は手打ち冷麺専門店で食べました。でも誰がこの季節に冷麺を食べるでしょう?そんな季節の為にちゃんと「温麺」なるものがありました。私はそれを注文し、父と母は石焼ビビンパ。
「しょうゆを使ってないから、スープがこんなにも澄んでうまいんや」と繰り返し話す父をBGMにみんな夢中で食べました。
そして、やっぱりここでも姉は一番ややこしそうな「サムゲタン」を注文。グラグラと煮え立つスープの中に丸鶏が揺れています。サムゲタンとは、鶏の中にナツメや高麗人参などの漢方系のものをつめこんで、スープと一緒に煮込んだ韓国の薬膳料理です。昔友達のヨーコちゃんと韓国へ行った時に食べて、ヨーコちゃんは高麗人参のあまりの土臭さに「二度とサムゲタンは食べない」と誓っていました。
そんな私にとっての曰く付きのサムゲタンを姉はダイソン掃除機のように吸引していきました。すると突然掃除機に目詰まりが!!どうやら高麗人参を姉が食べたらしいのです。クシャクシャにした顔で「ティッシュちょうだい」と訴える姉。食べ物のブラックホールのような姉でもどうやら高麗人参は口に合わなかったみたいです。
私はなぜかその姉を見て、姉も人間であったことを思い出し、少し安堵したのでした。