10月25日から30日まで開催しておりました、ポスターを描く展2は、平日も大賑わいの満員御礼で酸欠状態のクーラーが欠かせない熱気につつまれ、無事に終了いたしました。人々の吐息で加湿器いらずでした。
私も、来ていただいた方にはできるだけ笑っていただこうと(目的がずれてるけど)ズッコケ話をまくしたてていましたところ、喉がかさかさになり、しまいにはケイウンスクみたいになっていました。
今回はイラストレーターとデザイナーがチームを組んで1枚のポスターを作る、という企画でした。私は星野さんというチャーミングなデザイナーさんと組まさせていただき、「小学1年生」のポスターを作りました。
これを作るにあたって、私は三重、星野さんは東京だったので、直接お会いして話し合う機会はそうそう持てず、そのかわりに「ホシ通信」というメールのやりとりを毎日のようにしていました。なんと、このホシ通信は現在vol83まできていて、今もまだ更新されています。なので、結果的には東京同士のチームよりも密に連絡を取り合う事ができたのでは??と思っています。私と星野さんのパーソナリティーも多いに関係がありますが。
メールではお互いの家族の話から「伝える」とは何か、という話や、好きな音楽、本、言葉、そして「自分が小学1年生だったとき」という話など、毎日本当にたくさんの話をしました。
「小学1年生のポスターを作るにあたって、健全100パーセントのものでなくてもいいです」と星野さんが言ってくれた一言で、私は自分が小学校入学のときのことを強く思い出しました。
それは、周りがいくら「おめでとう!」と言ってくれていても、自分自身は「よく分かっていない」ということです。
世界はとても広いけれどそのことさえ私は知る由もなく、ランドセルを背負わされて「何だろう?」と思っているのです。世界が広いという事は、生きていてだんだん気付いて行くことです。経験して知って行くことです。だから当時の私は何も知らなかった。でも、なんだか知らないけど、歓迎されているんじゃないのかな?とうっすら気付いて行く。
そういう、歓迎してくれている世界が少し目の前に開かれた、というのを絵にしたいと思いました。
キャッチコピーは、星野さんが書き溜めていたたくさんのノートから「楽しみにしていよう」という言葉を選びました。
子どもが、「大きくなる事を楽しみにしていられる世界」であってほしいと思ったからです。未来に対して楽しみを抱ける世の中がいいからです。
他の方のポスターもすごくかっこよかったです。女装したり、箔を貼ったり、超長かったり、ダンボールに印刷したり、すごく実験的ですごく遊びがあって「大人が真剣に遊ぶ」というのはこういうことかと思いました。ひとつひとつに私が勝手に解説をつけていいものか悩ましいので、遠くからの1枚でお許しください。
1番最初は「初めまして」の名刺交換から始まって集まった総勢18名が、会期中にどんどんお互いを知って、最後には本当に仲が良くなれたことが私はすごく楽しかったです。会場から起こる温かい拍手や笑い声のなか、私はこれからもすごく楽しみに絵を描いて行けるなあと、なんともいえない清々しい気持ちになりました。
会場に来ていただいた皆さん、ギャラリーDAZZLEの村松さん、18名のポスター展2の仲間の皆さん、そしてそしてもうお互いの事を何でも知ってる星野さん。本当にどうもありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願いします。