生命が騒ぎだす春です。今日は朝からおばあちゃんと選挙へ。そのあと、農業を愛する人々のオアシス、コメリへ。コメリってなんじゃ?と言う人々へご説明をすると、農業者向けのホームセンターです。気付かないうちにこの安濃町一体を席巻していました。今や、この付近の農民達の社交の場。サロンです。
「もう隣のじいさんはナスビを植えたって言っとった、、、。私も焦って来たでなあ」といって、私に「コメリへ連れて行け」と遠回しに促すおばあちゃんを連れて、野菜の苗を買いにやって来ました。着くや否や、まだ車が停止してもいないのに、車から我先に降りようとするおばあちゃん。あなたはブルース・ウィルスじゃないんだから、やめておきなさい。死ぬよ。
もはや世界には苗と自分だけしか見えないといった様子で、苗めがけて一直線。気がつくと、周囲はそんなお年寄り達でいっぱい。「わしのじゃ、わしの苗じゃ」といった声が聞こえて来そうです。でもさすがに、農民達のサロン。意見交換が始まっていました。「これは去年作ったけど、皮が固なってあかんわあ」「このナスビは漬け物にええでえ」と、初めて会った人同士なのに、ハイレベルなディスカッションが繰り広げられていました。
結局おばあちゃんが購入したのは、ナスにピーマン、ししとう、トマトの苗とあれよあれよと増えて行ったのは花の苗でした。「あれもええなあ、これもええなあ」と花を選ぶおばあちゃんの姿は本当に乙女です。私が「この花かわいい」と言ったらすぐに買おうとするので、うかつに感想を言えない状況でした。夏になったら、おばあちゃんが一生懸命育てたナスやピーマンを、結局私が一番食べるでしょう。細っこいおばあちゃんは、この苗一本からなる量の半分も食べられないだろう。それでも作るのは、私達が喜ぶからで、感謝しています。
私がいいなと思ったのは、こっちのなんか苔っぽいやつ。この地味だけど生命力強そうな姿が健気でいい。色もおしゃれだし、手触りや姿が「唯一無二」的な感じがかわいいね〜。すぐ枯れちまうガーベラみたいな女性より、苔みたいな女の人のほうがいいお嫁さんになれるような気がします。目指せ、苔レディ!



