我が家から歩いて5分のご近所にすむ、小泉純一郎に激似の祖母ミチコ。一緒にご飯を食べたり、お漬け物をもらったり、病院に連れて行ったり、重い物を運びにかり出されたり、野菜をもらいにいったりと、もちつもたれつ日々顔を合わせています。
近頃は飼い犬のクロちゃんに噛まれるなどして、威厳は消失し、強風が吹けば一瞬で吹き飛んでしまいそうな小さな彼女ですが、時々ふと素敵な一面を見せてくれます。
彼女の家でお手洗いに行くと、毎回飾ってあるお花が違う。この前は水仙の花だった、この日は梅の花。その前は椿。「ばあちゃんはトイレが近いから、トイレが気持ちいい場所じゃないと嫌なんさ」と言っていました。もっともだ。切実な事情の中にも彩りを。
彼女は多趣味で多忙。体操に書道に俳句と畑の間を行ったり来たり。「体操にいかなくなったらおしまい」と言いながら大雪の日に小さな老人バイクで公民館へ。ほとんど誰も来ていなかったそうな。そういうときの誇らしげな表情が可愛らしくもあり、心配さすなよと言いたくもなります。
上の書道の写真、私には違いが一切わからないけど、いつも「この中でどれがええやろか?」と彼女に聞かれます。心の中では「どれも一緒ちゃうか?」と思いながらも「そやなああああああ、、、、やっぱり真ん中やろなあ。なんか空気が凛としとるでええ」と訳の分からない理由をつけて納得してもらいます。大概「おばあちゃんもそう思っとったわ」と言います。へー気が合うね。
この間はタンスをごそごそしていたら、なんと彼女が15歳の女学校時代の書道まで出て来ました。戦火に負けずにどんだけ物持ちがいいんだよ。「こんときは先生にハナマルもらってなあ」って。一度褒められれば一生幸せに過ごせるという才能まで持っています。見習います。
と、こんなに褒めてしまいましたが、褒めるとおばあちゃんはどこまでも調子に乗ってノリ乗りでややこしくなるので、褒めていた事を彼女の耳に入れては行けません。