トリッパー2010冬号が発売されました。
私が扉絵を手がける「濡れた太陽」も第五話を迎えました。今回は、今までちょこちょこと紹介されていた登場人物達が少しずつ繋がり始めて、まさしくオールスター勢揃いで文面が賑わっていました。私はあまり集団を描いたりしないのですが、今回は賑わいを感じたので演劇部のみんなを登場させることにしました。
前田さんの人物の描写は、とても細やかです。一人の人物の変なクセや、物の見方、考え方などを非常に詳しく書いておられます。なので、実際絵におこす作業はとてもやりがいがあると同時に、きちんとその人物を捉えないといけません。曖昧にみせることも他のイラストレーターの方からすれば出来ると事だとは思いますが、私は人間を描くのが好きなので、もうこうなったらちゃんと人物像をはっきり描くぞ!と決心致しました。といっても、まだ情報が少ない人物もいて、今回はその子達がちょっと難しかったです。
前田さんのイメージとは異なってしまったりもするかもしれませんが、物語がすすむにつれて、登場人物達はきっと自分だけのイメージに留まらず、色々な人の頭の中をくぐりぬけて勝手に動き出してしまうでしょう。それもまた楽しい事のひとつだと思っています。