タダ券を入手したので三重県立美術館に「橋本平八と北園克衛展」を観に行きました。「誰じゃ?そりは」という気持ちで足を運びましたが、大正時代に活躍した三重県出身の芸術家ブラザーズとのことでした。
兄ちゃんの平八どんは彫刻家として活躍し、39歳で亡くなられています。猫や変なポースのおばさんの木彫りを作っていたらしい。変なポーズのおばさんの木彫り、と思っていたらタイトルが「花園に遊ぶ天女」だそうです。芸術家はこれくらいトンチンカンなことを本気でやらなくては!とちょっと感激しました。
弟の克衛さんは相当ナイーヴィーな詩人モダンボーイという印象でした。詩人であり、デザイナーだったそうで。彼が手がけたデザインは今見てもめちゃくちゃかっこよいです。「ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム」とかいう前衛詩の雑誌を創刊しただの、この人とは付き合えないなと勝手に思いました。なんか食事中とかにややこしいこと言い出しそうだし。
誰だってそうでしょうが、人のいない美術館って大好きです。というか東京とかで大混雑している美術館はもう絵を見るどころではない。あんな場所では何も得られないと思ってしまう。情操教育させたいなら地方のさびれた美術館へ連れて行ってあげてください。絵と自分以外だれもいませんから。
しかしこういう人の少ない美術館で、数少ない他の観客との距離の取り方とかで妙に緊張してしまう自分が情けないです。こんなに莫大な空間でなぜか私はこのおじさんとマンツーマン、、、。とか。あの人とこれだけの距離を保って絵を見るには、私がもっと絵を見るスピードをあげなければ!!とか。こんなことでいちいち気をもむのできっと私の手相の線は乱れてるんでしょうね。