山形から富山へ。マス寿司、白エビ、ホタルイカ。忘れちゃいけない黒部峡谷。ということで、強制収容所へ送られる難民のように、朝からトロッコ電車にすし詰め状態で黒部峡谷へ行って参りました。
忘れちゃいけない、とか言っておいて私は全然黒部ダムの事など知りませんでした。水の流れが激しい黒部峡谷から注ぐ水による水害は、長く富山県民にとって脅威でした。大正3年くらいから電力会社が、この険しい山々にダムを造ろうととにかく頑張ったわけです。なんという大雑把で失礼な解説、すいません富山の人々。1時間20分もトロッコに揺られるんですよ?相当険しくて、危険な峡谷ですよ?これを人が造ったという事実がとにかくすごいのです。
知識ゼロで乗り込んだ私は、せいぜい30分くらいだろうとぼんやりしていたら、あまりにも長いので途中から気を失いかけていました。乗客全員が、うきうきして乗り込み、迫り来る大自然にキャーキャー言って大興奮だったのですが、みんな1時間20分というあまりにも長い間ゴトゴトギーギートロッコに揺られるので、だんだん無口になっていき、私の隣のおばさんなどは荷物を全部落として眠りこけていました。「自然を甘く見るんじゃないよ」となぜか私は得意げな眼差しを民衆に向けていました。そういう私が一番帰りたかったです。
すさまじく険しい山々の中に、突然電力会社や温泉街があって、工事のおじさんがあらゆる場所から手を振ってくれます。なんだこりゃ?なんという不思議な光景だ?工事のおじさんも、なんだかテーマパークのキャラクターのように見えて来ます。しかし現実の生活の光景なのです。とにかく不思議な場所です。黒部峡谷。
そんな不思議な富山旅行も終わり、また三重に帰る長いドライブが始まりました。姉が途中で食べたものは、カツ丼、そば、コロッケ、アイスクリームをダブルで、ソフトクリーム、じゃがりこ、柿の種でした。