今日の夕方、青しそを略奪しにおばーちゃんちを訪問しました。そしたら、半狂乱になったばーちゃんがなにかをわめいていました。「トマトを採っとったらなあ、こーーーんなでっかい青虫が7匹もおってなあ!!!もー気持ち悪て気持ち悪て、4匹はつぶしたけど、3匹は川に捨てたわ〜。」と。
どうして私に見せる前に殺戮してしまったのか私はひとしきり文句を言って、まだ青虫に生存者はいないか被災地を訪れました。トマト畑には、ばーさんに殺害された青虫の死体がゴロゴロと転がっていました。大きくなったら、きれいで立派なチョウチョになったであろう未来ある青虫でした。でも、ばーちゃんの言い分もわかります。手塩にかけたトマトが7匹の青虫によって今やリーブ21状態。田舎人が都会人よりむしろ小動物を嫌う理由をまた再確認しました。
そんな思いでトマトの葉っぱを見つめていると、いました。生存者が一匹。まるで不思議の国のアリスに登場する青虫のようなデカさと嘘くささで草をむしゃむしゃ食っていました。私は嫌がるその子を無理矢理トマトから引き離したのですが、そのとき初めて青虫の声を聞きました。「ブーブーブーブー」と豚のような声を出して全力で抵抗していました。もうそのかわいい声で一瞬にして私は愛着が芽生えてしまい、その子を飼う事にしました。
私がせっせとダンボールに穴を開けたり、草をしきつめたりしていると、あんなに怒りで我を忘れていたいたばーちゃんも突然協力的になり別の畑に生えていたトマトの葉っぱを一枝進呈してくれました。「私も昔は虫が好きやったんやけどなあ、畑をすると嫌いになってしまうんさ」と胸中を告白していました。
帰って母に見せると、こちらも半狂乱で何事かをわめきちらしてくれましたが、「よく考えてみて、本当に気持ち悪いと思うのか?」ということを辛抱強く話すと、いつのまにか母も青虫の環境をよくしようとどこからか網を探して来て、より通気性の良い青虫ハウスが完成しました。
がんばってきれいで大きなチョウチョになってほしいと思います。返事を返してくれないので名前はつけません。