竹風堂で満足したあと、そこからまた1時間ほど車を走らせて黒姫にある黒姫童話館という絵本のミュージアムに行きました。今回宿泊した斑尾の高原ホテルもそうですが、この童話館も「なんでこんな辺鄙な場所に、、、!」というほどぐねぐねぐねと山道をひたすら走ってたどり着きます。
長野の山奥といえば、一昔前はスキーや別荘ビジネスで盛り上がったでしょうが、今はスキーブームも別荘ブームも過ぎ去りしという感。廃墟になったペンションやホテルがあちこちに見られます。そんな山奥の道なき道をくぐり抜けて、突然狐につままれたようにその童話感は現れます。
すんごい、立派。すんごい絶景。まさに夢物語の世界。現実世界に嫌気がさしたとき、すぐ近くにこんな場所があったらなと思わせます。手入れをされつくした美しく広大な芝生。石畳の道、庭にはヤギさんが数匹。目の前は高原が広がっていて、遊歩道もあります。平日は、おそらくほとんどお客さんはこないと思われるこの山奥に、あまりにも奇麗に手入れされた広大な芝生がなんだか本当に不思議でした。やっぱ夢の国だからね、荒れ果てる訳にはいかないものね。この広い土地をこれだけ手入れするって相当お金がかかってるんじゃないかとか、館内の係のおばさんとかカフェの人件費とか、なんだか心配になりました。余計なお世話だろうけど。でももうかなり昔からある施設だから、寄付とかでちゃんとやっていけるのでしょうね。ちょっとここで働いてみたいなとも思いました。
童話館の建物自体も、そうね、確かに白姫様が住んでいるというよりは黒姫様のお城という感じの堅牢な作り。中の展示は「モモ」で有名なミヒャエル・エンデの資料や長野の民話のお部屋などがあって、ふらっとついでに来るというよりは、「今日は一日ここで過ごす」というくらいの気合いが必要なくらい盛りだくさんでした。
ミヒャエルさんも、日本の長野の山奥に、自分の作品がメインにされているミュージアムが建てられると知って、ちゃんと来日して喜んでくれたようです。サインとかゆかりの品とかたくさんありました。
もちろん絵本を読むスペースもあります。この日は平日だったので私たちの家族だけでした。3人占めですね。この絵本スペースはガラス張りのお部屋だったのですが、どちらかというと私は絵本の日焼けが心配でした。夏は相当暑くなる気もしました。でもここのスペースで、私たち3人はしばし自分の好きな絵本を手に取って読みふけりました。自分が昔読んでいた絵本が見つかると、何とも言えない懐かしくて胸を締め付けられるような気持ちになります。
その他には、私の好きないわさきちひろさんの別荘がそのまま残されていて、中を見学できるようになっていました。はー、確かにここなら虫の声か鳥の鳴き声しか聞こえないでしょうからね、制作に集中できるでしょうね。私は怖くて、一人じゃとても住めないけど。
長野旅行はこれで終了。息子は、ほとんどずーっと機嫌が良く、ソフトクリームを毎日食べ、私も山道のうねうねで車酔いした以外は、家事もしなくていいから本当に楽しかったです。夫は長時間ドライブで疲労困憊したようでしたが、家族が機嫌がいいならそれでいいじゃないか。
旅行って本当に大好きです。またどっか行きたいな。