私が産婦人科から退院してきた日の夜のごちそう。母が一人で髪を振り乱して作ってくれた。この後母は過労でぶったおれた。家事を二分してきた私が、使い物にならなくなったので色々頑張り過ぎたらしい。すまん、痔は治りました。
息子が産まれて6月23日で2ヶ月になる。痔を抱え洗濯を干し、乳をやりおむつを替え、「オレを抱いてくれー!」と泣き叫ぶ息子の要求に応えていたら、いつの間にか眉毛が中東の男性のようにふっさふさになってつながっていた。手入れしないと自分の眉毛はこんな野性味あふれるもんだったのかと関心する。骨盤矯正ベルトをつけているのに、腰がガクガクして、どっからどうみても変な歩き方になってしまった。極度のO脚になって50年のばあちゃんにまで「しほちゃん、そんな風にしかあるけんのんか?」と言われてしまった。
「長い方がいいかも」といううっすらとした夫の要求に応え伸ばしていた髪が、始末に終えない程にうっとうしくなってきたので、ある晴れた日に、東南アジアの出張散髪屋のように外で母に髪の毛を切ってもらう。美容院では長時間痔の為に座ってられんので、小学生の時以来久しぶりに母にハサミをにぎってもらった。よく言えば「不思議の海のナディア」、悪く言えば戦後の混乱期ヘアになった。母は「あたし、うまいかも」と言っていた。ありがとう、助かりました。しかし東京に引っ越す前には、もう一度美容院に行きます。
貯金を切り崩して暮らしている割に太っ腹な姉から、ベビーカーをプレゼントしてもらう。妹は得である。トムソンガゼル似の販売員の方の、セールストークが絶妙であった。押し付けがましさは一切無いのに、徐々に高い方高い方へとアホ姉妹を誘導して行った。お陰で私は背が低いにも関わらず、背の高いベビーカーを購入。腰も曲がってしまった為に、遠くから見たら老人が手押し車に必死につかまっているように見える。私の体はいつになったら元に戻るのだろう。もう戻らないのかな。
授乳は相変わらずチクビがもげそうに痛い。痛さを紛らわせる為に、息子の耳あか等をほじくったりしてやり過ごす。やはり高脂肪のものを食べ過ぎると乳腺炎になるらしいので、乳製品やらパンやらをやめることにした。「ジョア」だけは飲んでいる。チクビにぶら下がる息子をながめて、「この人とはそういえばまだ出会って2ヶ月程か、、、。」と思う。出会って2ヶ月なので、まだビクビクしながら付き合っている。泣き出す準備の為に息子が手足をばたつかせ始めると、心臓が縮みあがる。泣き声が破壊的にでかいのだ。息子が寝ている間に立って食事をする。このブログも、もちろん寝ている隙をうかがっての事だが、ウンコだけは時間を選ばず飛び出して来るので厄介である。排便に時間がかかるので、息子が長時間泣きっぱなしになり、私はパンツもはかずにうろうろして謝っている。
息子の歯ぐきの下に、歯が並んでいるのが見える。この歯が生えたら、私のチクビはもげるに違いない。おむつを蹴散らす脚力からして、相当の暴れん坊になるに違いない。反抗期が恐ろしい。もう早く息子が25歳くらいにならないだろうかと夢見るが、多分そのときになったら、「赤ちゃんの時はかわいかったなあ」と思うに違いない。今一日がとても長く思えるけど、後から振り返ると一瞬の出来事のはず。息子の小さなハナクソ一つも、逃さずに見つめよう。