姉から「あんまり痛かった話をするのは、これからの妊婦によくないだろう」という助言をいただたので、タイトルも「お産スペシャル」に変更です。でも、自分の思った事を、書きます。痛い話も書きますが、私のお産の次の日、なぜか病院中の看護師さんから「怖がりの瀬島さん」という名前で呼ばれるようになったので、どうやら私はとんでもねえチキンだというレッテルを貼られたようです。だから私が怖がりなだけかもしれないという話なんです。
前から分かっていたけど、お産を通して改めて思い知った事、それは「私は運動神経が悪い」ということと「ものすごい怖がりで小心者だ」という事実です。よくお産で「己の底力」みたいな物を知った、という人はいるけど、もうただひたすら私は自分が「ダメなやつ」だということを思い知らされました。
私のお産は、最近流行の「ナチュラルなお産」とかで無しに、「医療的措置満載のお産」でした。現代の医療の力無しには、私は産めなかったかもしれんのです。というか本当に医療と先生と助産師さんありがとう。
前回からの続きを話します。陣痛促進剤の点滴を受け、私は初めて「陣痛」っちゅうものを全身で浴びる。いや、その前にすごいイベントがあった。子宮内に風船をいれたのだ。風船っていったら、テーマパークでゆるキャラが配ってるあれだろう?なんというか幸福の象徴みたいな存在ですよ。それを子宮にいれるなんて、私は思いつきもしませんよ。とにかくそんなに痛くなかったのか痛かったのか分からないけど、もう騒ぎまくった。その風船で私の開いていない子宮口を押し広げるんだと。風船君も空を飛ぶはずが、飛び立つ場所が私の子宮ってけっこう気の毒だよ。ここらへんでもまた「せんせー!もう帝王切開にしちくれー!!」と叫び続ける。
赤ちゃんでも耳はしっかり耳だ。爪はしっかり爪なのだ。
風船を体内に飛ばしつつ、個室部屋に帰って来ていよいよ陣痛が本格始動。仕事から駆けつけた母も恐ろしげな表情で、悶える私を見守っている。看護師さんが伝授していった呼吸法を必死でこなす。もうなんでもいいからこの痛みを和らげる方法を実践しないともたない。そしたら、夕飯が運ばれて来た。鶏の照り焼きレモンソースやらなんやら、非常に美味しそうなのに、痛い。陣痛さえなければ、こんなに美味そうな夕飯なのに、と思いながら陣痛の切れ目切れ目に母に食べさせてもらう。痛がりながらも、ほぼ完食する辺りが、なんか自分はただのお調子者なんじゃないかと自分で疑う。お皿を下げに来た看護師さんも「あら、完食ね」と、ちょっと驚いていた。だって、食べないともたないんでしょ?
でも、2分間隔くらいで襲ってくる、今まで味わった事の無い激痛にこの先何時間も耐えるって、もう絶望すぎて私は「誰でもいいから、自分以外の人間に今なりたい。」と願っていた。あんまりにも痛いので、次の陣痛がくることが恐怖で私はいつの間にか痙攣が止まらなくなっていた。
今日もまた赤子が泣き出したので、続きはvol3で、、、。