
多分、同じストーリーをハリウッドで撮ったとしたら、とんでもなく陳腐だったでしょうが、インドという最高に見応えのある舞台が、この映画を素晴らしく素晴らしく魅せていますね。でもインドの監督が撮ったとしたら、これまた全世界で大ヒットするような味付けになっていなかったでしょうから、すべてのものが絶妙にミックスされて生まれた映画だと思います。
「こんなことあるわけないよね??」と思ってしまうようなことが、あり得る話に思えるから不思議。完全にインドに行って来た気になりました。ガンジス川でうんこといっしょに泳いだかのような、もしくは人と動物と食べ物が溢れる列車で汗まみれになったような。

ベルリンの壁が崩壊した時の世界中の興奮の意味を、当時小さかった私はよくわからなかった。今でもよくわからない。なぜ戦争なんてしたくない人の方が多いのに起きてしまうのか。壁なんて作ってしまったのか。なんだかすべてが子どもの幼さのような理由でもってして、人が人を傷つけているのではないのかと思ってしまう。
人を傷つける理由に、大人にしかわからない複雑な事情なんて存在しない。

ほんの何回かしか会ったことのないお互いを思って、つらい南北戦争を生き延びる男女のお話。
こんなつらい経験したことないからさ、共感とかではなくて、もはやファンタジー。でもきっと戦争とかあったら、男は死ぬ気で女を守って、女は献身的に支える、となって色々都合がいいこともあるのだろう。
幸せと気付かないで、文句垂れてばっかりにならないようにしたいなと思いました。