いままであまりにもぼんやりと子どもと毎日をやり過ごしてきた。いや、ぼんやりとというのは間違いで、自分なりに精一杯ひたすら公園にいったり、おもちゃやさんに行ったりとかそんなんばっかりで、何かちょっとした習い事とか、小さい子が集まるイベントとか、そういうのに全くノータッチで来てしまった。
なんでかっていうと、インターネットをじっくり見たりする時間がなくて、全然調べる余裕が無くて、毎日子どもと一緒に22時くらいには完全に眠ってしまっていた。私が眠りこけている間にも、賢いお母さんたちはちゃんとアンテナを張り巡らして、ネットやスマホで子どものイベントや習い事をちゃんと調べて、毎日を有意義に過ごしたりなんかしているのだ。
子どもの幼稚園も、なんやかんやで結局今まで考えてなかった幼稚園にすべりこみで入ることが決まって、ふと、「あれ?うちの子4月から集団行動的なんて突然できるわけないやん?」と急に焦りだして、色々他のお母さんに聞きまくって、とりあえずリトミックサークルとか、幼稚園がやってる就園前のあそびの会とかに突然行きだした。
リトミックってなんじゃい?って感じなんですが、小さい子どもが音楽に触れる第一歩みたいな。リズム遊びとかそんなやつです。私も子どもができて初めて知りました。世のお母さん達には常識の言葉らしいです。
そこで、突然サンタクロースの折り紙とかやらされる訳ですよ。もちろん子どもはまだ折り紙とか難しいから、そこはお母さんがメインなんですけど、なんか英語のクリスマスソングをバックに講師の人が前で「はいー、ではここ山折りねー。ひっくりかえしてー、谷オリー!」みたいな。
うわー!私がめっちゃ苦手なやつだー。と思いました。幼稚園、保育園、の頃から大嫌いでした。先生が前で見本見せながら折り紙やるの、大嫌い。というかまったくできないの。ついていけないの。なんでみんなあんなに素早く先生の通りに紙を折れるのか、意味不明。なんか、方向とか違うから難しくないですか?あと、山折りとか谷折りとか瞬時に判断できますか?大人になった今でもこんなにできないんだから、幼稚園の頃の私なんて、ぽかーんですよ。それで、どんどん自分が置いて行かれる恐怖だけが襲って来て、気づいたら一人で泣いてたりとか、お友達に必死に聞いたりとか。死に物狂いの地獄のような時間でした。
結局大人になった今でも、必死に隣のお母さんに聞いて、やっとできたのがみんなのと全然違うぐっしゃぐしゃのサンタクロース。手は汗でべっしゃべしゃ。紙べろんべろん。もう忘れてたよ、あの必死で大嫌いな時間。
幼稚園の遊びの会とかは、お買い物ごっことかするんですよ、先生が必死で前で説明とかするんですけど、子どもは誰一人理解してなくて、聞いてもなくて、親は必死で。訳がわかってない子どもの手をひっぱってね、「ほら、この青いお財布から10円玉のおもちゃひとつ出すんだよ!あ、違う違う2枚じゃなくて、1枚だよ!」って必死でね。子どもの金切り声と、泣き声で大混乱の中、私何やってんだろう、一体なんやこの時間は?とか思ったりする。子どもも別に全く喜んでなくて、早くせんべいくれよ、とか懇願してくる始末。もういつも終わった後はぐったり。
でも幼稚園の先生は本当にすごい。これが毎日だよ。リスペクトせざるをえません。
そんで、お買い物ごっことか全然楽しそうじゃなかった息子ですが、いつも「あー楽しかった。いっぱい遊んだ。」って言ってるから、結局幼稚園のことは好きらしい。「幼稚園行くよ。」って言うと、超嬉しそうにするから、やっぱりどうやら好きらしい。ふーん。そうなのね。リトミックは、脱走しようとしてたけどね。
なんだか、自分の人生を振り返ってるような気持ちになるんです。息子は全く私とは性格が違うから、息子が何を感じてるかは知らないけど、自分が小さい頃の事がすごく思い出される。幼稚園の、おトイレの匂いなんかかぐとね。切なくなりますよ。色々上手くできなかった小さい自分が、必死で頑張っていたのを思い出す。大人になった自分が、あの時の自分に声をかけてやりたくなる。「そんなのできなくても、全然いいよ。なんの問題も無いから、泣くな」って。