なんだかタイトルがうまく入らないので、無題ですが、タイトルは「国立競技場へ行く。」です。国立競技場がもうすぐ取り壊されるらしいです。オリンピックの為にね。別段私はこの競技場に思い入れというのはありませんでした。だって1982年三重県生まれ三重県育ちのずーっと美術部の女ですもの。そんな人間がなぜこの競技場に用があったのかと。
夫がね、日体大出身です。陸上ずっとやっていました。この日は、一般の方が競技できる最終日らしく、いつのまにか夫はそれに応募していたようです。題して「LAST MEMORIAL GAMES in国立競技場」。そのような経緯で、一切国立競技場と縁のなかった私が、夫の応援という名目で息子を連れてこの競技場に足を踏み入れました。
赤子がおるのでこの日もカーをレントして、慎重派な夫は、受付開始時間から2時間も前に競技場へ到着。早く着いたからといっても、建物内はまだ入場できずに、親子3人は建物周辺を漂流。徐々に受付に人が並び始め、ようやく競技場の中へ。このイベントは、すべての人がゆる〜く参加できるイベントだったので、親子連れ、年配の方、本気の方、色々おりました。中には、競技場の中央に立って「ついに来た。」と感動で打ち震えておられる方もいらっしゃって。想い入れなくぼけーっとベビーカーをひいてうろついている自分が妙に申し訳なく。
この日は平日だったので、会社が終わってからも参加できるようにと、競技開始は夕方5時頃からと遅め。このあと夜9時までイベントは続いたらしい。暖かい日だったからまだよかった。私は夫が走る所を初めて見るので、ちゃんと見なきゃなあと思って、息子とゴール付近の観客席を陣取っていました。ちなみに夫は100メートルに参加。
まだ競技開始までだいぶ時間があるなーと思って、観客席に座りながら、夫の為に作ってきたおにぎり4個を、いつのまにか全部一人で食ってしまった。授乳中は腹が減るのよ。息子には赤チャンせんべいをやっていると、突然黒い物体が私達に襲いかかって来ました。なんとカラスが!!「ぎゃああああああ」と今まであげたことのないような悲鳴をあげるバカな母親、、、。周りの人は全然動じておらず、叫んでるのは私だけ。なんだよ、このかっこわるい感じは、、、?私が落とした赤チャンせんべいを求めてカラスがわさわさ。はいはい、すいませんでした。自業自得ですね。食いかけのおにぎり(4個目)を急いでリュックにしまって、しばらく息をひそめて固まっていたら他の食べ物のほうへ飛んで行きました。いやー都会のカラス恐るべし。
寒空の下、息子も段々しびれを切らして来てジタバタ。「はやく〜!」と思っていたら、いつのまにか夫の出番が!ぎゃあああ!カメラのスタンバイがまだや!あああああ!!!!といっているまにいつのまにか夫はゴールしており、、、。カメラを持つ手が震えました(自分がアホすぎて)夫になんて言おう。よく見えなかった。カラスがね、寒くて、こうすけが暴れてね?目がかすんで、、、。
結局「えへへ、、、。あっというまだったね、、、。」というごまかし笑いしかできず。夫は「マジかよ。」という表情。すんませーん!またいつか走ってくれ!そのときは、ちゃんと目を見開いていますから。
国立競技場は身障者用のトイレもなく、赤チャンがおむつを替える設備も、ましてや授乳室なんてのぞめるわけもなく、さらには観客席へもスロープなんてなく、ベビーカーは人力で持ち上げるしかなく、バリアフリーはまったくなされていませんでした。ここではやはりオリンピックなんてできない、というのが正直な母の感想でした。ましてやパラリンピックなんて、、、。立派になって生まれ変わる日を、楽しみにしています。