私は痔との付き合いが長く、多分16歳くらいから発症したと思う。当時美大受験の為に名古屋の美大専門の塾に通っていて、2週間とか短期で寮生活をしていた。ずっと同じ姿勢で静物デッサンをしていて、うっ血して、発症した。一人で寮でおしりに軟膏を塗るのは、それなりに辛かった。
それからは、長時間同じ姿勢で居たり、冷えたりすると度々なっていた。妊娠したら、多くの女性が痔になるよ〜という情報は知っていたので、もうもちろんなるだろうと思っていたら、なった。どうやら、肛門をきれいにしすぎるのもいけないらしいと聞いたのだけど、適度に肛門を汚くする技術なんて今の世の中むしろ難しいのではないかと思う。
私の夫は、痔になったことが一度もないピュアヒップの持ち主で、私がもがき苦しんでいるのを見て「何?どう痛いの?なんなの?」とピュアな質問をぶつけてくる。産まれてくる子は、夫のオケツに似てほしいと願う。ちなみにうちの両親は二人とも痔の経験者で、痔の遺伝子を継承した娘を哀れむでもなく、痔の話をするとたいそう盛り上がる。
痔とは全く関係ない話を続けます。最近の給食の進化は目覚ましいものがあるとよく聞きます。そうはいっても、私はアルマイトの食器だった小学生の頃から給食がずーっと大好きで、多分残した事なんてないと思うし、毎朝給食の献立表を確認してから登校していたし、よく「あのバケツいっぱいのほうれんそうのおひたしが全部自分のものだったらいいのにな〜」と想像しては喜んでいた。
教員時代の2年間も、給食が楽しみで行っていた気がする。今は給食を食べる機会が無くなってしまったけど、たまに給食を思い出し、無性に食べたくなることがある。そんなことで、給食でよく出ていた「ポークビーンズ」を作ってみた。夫にポークビーンズを知っているかと聞くと、知らないという。豆と豚とトマトが入っていると言うと、豆もトマトも嫌いだという。そんな夫を無視して私はポークビーンズを作った。明日はこれにカレールウを入れて、カレーに変身させる予定だ。
しわしわにしぼんだミカンがここにある。まだ私が実家にいたころ、こういうしぼんだミカンや、湿気たせんべいや、溶けた飴などは、いつも母が食べていた。母はそれが好きなのかというと、そんなことはあるはずないのだけど、とにかく母は家の中で忘れさられて朽ち果てていくお菓子などを、それを食べるのは自分しかいないからという理由で食べてくれていたのだなあと、このしぼんだミカンを見ると思うのだ。
それで家を出て結婚した今、今度はきっと当たり前のように自分がその役割をするのだろう。でも別にそのことが全然嫌だとは思わない。しぼんだミカンは甘くて、全然まずくなど無いことを知ったし、今まで実家にいたときは全部母に押し付けていたんだなあとしみじみする機会を得た。(でもよく見たら、夫もしわしわのミカンを一生懸命食べていた)
私には、色んな人からもらった「溜め」があるから幸せに生きて行けるのだなと思う。