今年も無事に節分を終える事ができました。といっても巻き寿司にかぶりついて豆を投げるだけだけど。
毎年本当にまめまめしく、おばあちゃんがイワシの頭と柊を用意してくれている。そして毎年いつの間にか、近所のネコによってイワシの頭だけ盗まれている。鬼どころか、野良猫さえも追い払えないこの現実。
その日はいつも私が、近所にある欲望丸出しの店名スーパー「ぜにや」へ恵方巻きを買いに行く。どれだけスーパーや寿司屋の陰謀を感じようとも、堂々とでっかい巻き寿司を食べられるなら私は喜んで恵方巻き文化に便乗しようと思う。姉も一人でしっかり毎年恵方巻きを食べているらしいことは、空になった巻き寿司の箱を父が目撃して分かっている。
おっと失礼。歯形がつくまえに写真を撮るべきでした。ぜにやの恵方巻きは美味しいのです。
夕ご飯の前に、おばあちゃんと二人で各部屋を回って豆まき。おばあちゃんが「福は内!」私は「富は内!」と叫びます。かけ声はおばあちゃんオリジナル?富は内ってあまり聞いた事ない。かなり欲深なかけ声です。
肝心の豆は、なんだか美味しいと思ったら津市で唯一のデパート松菱でわざわざおばあちゃんが買って来たらしい。彼女がいつも一番お金をかけるのは風習や伝統行事について執り行うときです。価値観って本当にそれぞれだ。そうしておばあちゃんは83粒の豆を必死で食べていました。そりゃあそれだけ食べなきゃいけないなら美味しい方がいいに決まってる。
節分とは全然関係ないけど、最近母が父のマジック教室に通い始めて楽しそうだ。マジックが楽しいのではなくて、ステージに立つ事が嬉しいらしい。ステージに立つ日を夢見て、中途半端に練習している。衣装や音楽の事ばかりを気にして、肝心のマジックの腕は彼女が不器用であると想像させるのに十分。私はいつもそれを見て大笑いするけど、何事も挑戦するというのはいいことなのだ。新しいことに挑戦している人の事を笑うのは、それだけできっと私の負けなのだ。