一日の朝。姉は朝から着物を一人で一生懸命着て、今年大厄なので昨日行った守居神社に改めて厄よけに行きました。着物の姉の横で、私は赤いトレーナーにジーパン、ノーメークだからマスク姿で姉の荷物をもつ係。格差社会に反抗して公園で寝泊まりするニューヨーカー風です。
去年から1年間着付け教室に通っていた姉は、もうすぐ着付け師範の免許を取るそうで、私のわからない専門用語を色々出してきては母と着物談義に華を咲かせています。大阪のおばあちゃんが残して逝った着物達を、姉と母がクリーニングに出したり修繕したりして丁寧に着ていくつもりらしい。頼んだよ、私はどうせジーパントレーナースポブラ野郎だもの。
厄よけはなぜか厄よけしてもらう家族も同席できるらしく、神社の境内に父と母と姉と私が上がってお祓いをしてもらいました。母はタイツにあいた穴を一生懸命隠そうとしていましたが、しっかり穴は見えていました。バイト風の巫女さんが、何やら舞を踊って私達の上で鈴を鳴らしてくれました。病は気からって本当だよね。これやったら悪い事が起きないなんてさ。
でも私は案外そういうの信じてしまうから、これで安心だね、姉ちゃん。
三重のおばあちゃんは、寝室の神棚に飾ってある家族全員の写真に向かって、毎朝祈りを捧げているらしい。だから私らは毎日健康なんだってさ。ありがとね、おばあちゃん。