初めて夜の二時まで起きていたとき、わたしは9歳で、達成感があった。
一緒にいた友達と「すごい、夜の2時だよ!」といって抱きしめ合った。
今、午前二時を通り過ぎる事が珍しくなくなって、
わたしの知らない事は少しずつ少なくなっていくのだろうと信じていたけど
世界はまったくそうではなくて、
ひとつのことを知れば、その向こうの無数の未知を知ることになるのだった。
それを知りながらそれを知らないふりをすることも
いつしかするようになるのです。
午前3時を迎える前に眠ってしまった9歳の時のように。