よく見たら左端に「尿感」って文字が見える。申し訳ない映像をバックにかわいい後ろ姿を撮ってしまった。ごめんね、よーちゃん。さらには、ヤンママひとみの太ももまで激写。ごめんね、ひとみちゃん。本日、我が故郷三重から、高校時代からの友人ひとみちゃんとその息子ちゃんのよーちゃんが遠路はるばる来てくれました。片道二時間程を、1歳に満たない赤子を連れて一人でカーを運転してくるひとみちゃんは、スゴイ。とインドアな私は思う。私は近隣のスーパーに行くのさえ、カーを運転するのが億劫であるのに。
今最も私が色々インタビューしたい、リアルな母子が目の前に現れてくれたので、もう家に上がる手前の階段を登る辺りから、質問を雨のようにひとみちゃんに降らせてしまった。チャイルドシートから、離乳食から、だっこひもから、出産時の陣痛間隔から、母乳に適したチクビの長さから、便意と陣痛の違いから、マザーズバックの中身まで、ひとみちゃんは包み隠さず見せてくれて、色々教えてくれた。出張教室のようだった。
以前、3月くらいに私が三重のひとみちゃんちを訪れたときは、「子育て疲れのどん底」であったひとみちゃんは、私の目にもはっきりと彼女の疲労の色が見えていた。そのときまだ生まれて間もない息子のよーちゃんは、ただふにふにと泣き続ける存在で、かわいいけどあまりにも取り扱いが難しそうな生き物であった。
ところが今日現れたもうすぐ1歳になるよーちゃんは、ひとみちゃんにそっくりの黒めがちな目をくるくるとさせて、赤ちゃん特有の「あーあー、まーまー」と言うなん語を機関銃のように発射していた。はっきりと、私のことも認識してコミュニケーションをとってくれる。おもちゃを渡してくれるし、トイレに行った私を追いかけて来てくれる。小さな意志を持った人がそこにいた。
赤ちゃんが来るので、私はできる限り部屋の中に何も置かないように掃除したけど、それでもどこから見つけて来たのかゴルフボールをいつのまにかくわえていたり、テレビにくっついていたビニールテープをひっぱったりしてくるよーちゃんを、ひとみちゃんが怒らないようにどうにかして注意をそらして引きはがす。私と話していても、ちゃんとよーちゃんの行動を見ていて、手を出しすぎないくらいの、ちょうどいい感じで見守っているのがすごいのだった。それで、泣き出すと一瞬で泣き止ませる方法までちゃんと熟知していた。すごくお母さんだった。
お昼は、私が平凡なカレーを作って、ひとみちゃんが美味しいケーキを持ってきてくれました。あのカレー、ちょっとしょっぱかったね、、、ごめんね。
3月の、子育て疲れ真っ最中の時でさえ、ひとみちゃんは自宅の中でかわいくおしゃれにしていた。今日も、ふさふさのまつげとハートのピアスとおしゃれなピカピカの靴をちゃんと履いて、おしゃれをしていた。私は、「自宅だし!」と思ってノーメークで、いつも着ているジャージでチャルメラのおじさんみたいな格好だった。久々に同じ年のおしゃれをしている女子と話すと、「ちゃんとせな!」と私も背筋の伸びる想いがした。今のままじゃ、生まれてくる私の赤子があまりにもかわいそうであった。お母さんがチャルメラのおやじみたいだったらショックだろう。最近顔の産毛もスコールの後のサバンナのようで、夫についに「鼻毛が出てるよ」と言われたばかりだったのだ。
ピンクのラパンに乗って、颯爽と手を振り帰って行くおしゃれアクティブママひとみちゃんを見送り、赤子と対面するまえに美容院に行かねばと思った。