私の住む隣町の市民会館で、大きなマジックショーをやるから観に来るようにと親に夏くらいから言われていました。100回くらい書いてますが、うちの父はマジシャン。でももうおじいさんだから、ほとんど審査員とかしかしてないけど。
この日も父は審査員、母はアナウンス業務に忙しく、私も夫と観に行く予定でしたが夫の扁桃腺が腫れ上がり、寝たきり状態だったので、一人でとぼとぼと会場に向かいました。会場に着くと、雨の中大盛況のようで、前に進むのが困難なくらい。みんなマジック好きなんやねー。
マジック道具の展示即売会の模様。あるよあるよ、あの道具もこの道具もうちの父の部屋に転がってる。整理整頓好きな人がマジックをやるのは賛成だけど、うちの父のように片付けられない男がマジックに手を出すと部屋がカオスになる。母が怒りで何度か気を失いかけているのを見て来ました。会場で熱心に道具を見ているこのおじさんや、あの青年の部屋もカオスなんだろうか?と私は中央の階段踊り場からその様子を見ていました。
そもそも私はあまりマジックに興味がないので、夫が一緒に行けないなら行かないでおこうと思っていましたが、チケットを持っている人には美味しいおにぎりが配られるというので、おにぎり目当てに行ったようなものです。無事に夫の分のおにぎりも入手して、ついでに母からおやつももらうと途端に眠くなり、「もう帰る」と言って、マジックをほとんど見ないまま帰って来ました。罪深い三十路の娘をお許しください。
家に帰ると、加湿器に蒸されながら夫が寝ていました。枕元には、龍角散のど飴、トローチ、ポカリスエットという三種の神器をそろえているのに全然回復しない。もう1週間以上病人です。そういえばうちの父も喉が弱く、毎年冬は加湿器に蒸されながら冬を越しています。男の人のほうが生命力が弱いって本当なんやなあと思いながら、咳き込む夫におかゆを作りました。