二月に結婚して、私達はまだ新婚旅行に行っていなかった。ラスベガス!バリ島!イタリア!モロッコ!などなど、新婚旅行の夢を膨らませていたら、妊娠した。赤ちゃんが生まれたら、新婚旅行どころではなくなるばい。髪を振り乱して乳をやらねばなるまい。かといって、大きなお腹でグランドキャニオンに行く勇気もない。国内にしよう、という事で落ち着いた。二人ともまだ沖縄に行った事がなかったので、沖縄本島へ行く事に決まった。
計画を立て始めたのが遅くて、もうツアーに申し込んじまおうと旅行会社に駆け込んだ。私も夫も旅行計画を立てるのがはっきりいってうまくないし、ケンカもしないようにしたいし、バスに乗ってぼけーっとしてたら適当な場所へ連れて行ってくれるというのはきっと楽だろうと思ったのだった。
ぎりぎりに申し込んだので、旅行の日はあっというまにやってきた。朝5時起きで、中部国際空港へ。飛行機に乗り込むと、キャビンアテンダントのおねーさんが、「これから産まれてくるお子さんにどうぞ。」といって、ウサギのパペットをくれた。あらあら、どーも。ちなみに、家に帰ってこのパペットを指にはめようとしたら、すんごいきつくて入らなかった。ガーン!
沖縄に着いて早々、ツアーのバスに乗り込みました。バスはけっこう満席で、すぐにお昼ご飯に連れて行ってくれた。サムズレストランという鉄板焼きのお店でした。沖縄は鉄板焼きのお店もけっこうあるみたい。
私達のテーブルは、お客さんが8人くらいいて、窪塚洋介似のイケメンな兄ちゃんが、こしょうびんを振り回しながらシーフードやお肉を焼いてくれた。どうやらお客さんの前でパフォーマンスをする決まりがあるらしく、定期的にこしょうびんを振り回してくれるのだが、このイケメン兄ちゃんはかなり義務的な感じでやっているのが分かって、見ているわたしらも定期的に拍手をしたりせねばならずそれなりに気を使う食事であった。だって、うちらのグループもさっき会ったばっかりで誰も気心しれてないんだよ。まだ全然気持ちがあったまってないわけよ。でも兄ちゃんの苦労もわかるから、私は精一杯拍手したよ。
ご飯を食べたら、決まった時間まで自由行動できましたので、レストランから歩いてすぐの牧志公設市場っていう所に行った。私はこれをかなり楽しみにしていた。市場って地元の食材とかがたくさんあって、ものすごい楽しいだろうと思っていた。案の定、見たいと思っていた光景を私は見れたのです。見た事ない魚!豚足!山盛りの海ぶどう!山盛りのサーターアンダぎー!山盛りの南国フルーツ。
あきらかに観光客の受けをねらった豚まで。胸がざわざわします、市場。市場大好き。私が興奮している最中、ふと後ろを振り返ると、夫が青ざめた顔で身を縮めるようについて来ていた。ああ、なるほど、この人は多分こういうの苦手だな。山盛りの豚足とか豚の顔がごろごろしている間をすり抜けるのは、夫はきっと苦手だろう。男の人ってまったくデリケートな生き物だと思う。しょうがない、もう出て行こう。
そんなことで、市場をあとにし、繁華街を歩く。
沖縄と言えば、ブルーシールアイスクリーム!と思って、店を見つけた瞬間入って食べた。パイナップル味とか、さとうきび味とか色々あるけど、私は塩ちんすこう味にした。沖縄ならでは!と思って慌てて飛びついたけど、沖縄にはこのアイス屋さんしかない。多分。サーティーワンとかついに見かけなかった。ハーゲンダッツもない。かわりに、どんな小さな商店街でもこのブルーシールアイスクリームがある。ほったてごやにでも売ってる。コンビニにまで売ってる。通販もできる。アイスの素まで売ってる。とにかく沖縄に深く根ざし過ぎてるアイスやだった。
1日目はまだ続きます。