18歳で親元を離れてから、ずっと私はスパゲッティが大好きだ。(なんだか恥ずかしくてパスタとは言えない、ましてや甘味のことをスウィーツと言う事なんて絶対に一生できない)いや、それまでも好きだったけど、スパゲッティのことばっかり考えて過ごすというようなことはさすがになかった。
でも一人暮らしを始めてから、よくスパゲッティのことを考えている。そして考えるだけではなくていっぱい食べている。かといって、私はお店のスパゲッティを食べたい訳ではないのだ。自分が考える、自分のためだけの、多分自分しか好きじゃないスパゲティが好きなのだ。そもそも、気取ってるお店のスパゲッティの少なさと言ったら、本当にがっかりする。トングで上品に小さなお山を作ってみたって私は全くときめかねえぞ。私はいーっぱい食べたいのだ。口にいっぱい詰め込んでモグモグしたいのだ。3回モグモグしたら無くなるようなスパゲッティに用はない。
ということで、自分のためだけに作るスパゲッティはいつも手元を大幅に狂わせて大量に作ってしまったふりをしている。一人でびっくりした顔をしながら「こんなに作っちゃった!」と驚いてるふりをするのだけど、すべてわざとなのだ。(自分しかいないけど)大量のスパゲッティをモグモグしている姿は、誰にも見られたくなくて、でも幸せな時間だ。
一番上の写真は、最近自分の中で流行ってるナポリタン。グリーンピースを入れるだけで、食品サンプルみたいに見えるから不思議。これをいっぱい食べると、もうどうしようもなく罪悪感にかられるので、私にとっては禁断のナポリタンなのだ。
それで、これが最も私好みの、私しか多分好きじゃないスパゲッティ。「ツナとキャベツのスパゲッティ」です。本当は毎日食べたいけど、妊婦はツナ缶を食べ過ぎちゃいけないらしいので、最近は週に1度におさえています。どうして私しか好きじゃないのかというと、夫に食べさせたら「あんまり好きじゃない」と告げられたからだった。それを聞いてしまってから、私は一人でひっそりと(しかし大量に)お昼に食べている。週末夫が家にいるときの昼ご飯に「やきそばか、うどんか、スパゲッティか、どれがいい?」(この3択しかない)と聞くと、絶対に「やきそばかうどん」と言うので、この家ではやはりスパゲッティは、わたしだけの食べ物となるしかない。
一人暮らしのときは、ここにいつも大量にオリーブの塩漬けを投入していたのですが、少し前にホテルのブッフェでオリーブの実を食べ過ぎて吐きそうになってからやめました。
これは本日の志保子の気まぐれスペシャル。「小松菜とサバとエノキのスパゲッティ」です。「ツナとキャベツのスパゲッティ」とのビジュアルの違いはほとんどないけど。なんでサバかって言ったら、昨日もツナ缶を食べたからツナ缶を使ったらいかんと思って、代わりになるものを冷凍庫で探したらサバの塩焼きしかなかったんだよ。妊婦じゃなかったらツナ缶を間違いなく選んでた。常に重要な脇役なのは、粉チーズとのりです。信じられない事に夫は粉チーズまでも苦手。思わず「育って来た環境がちがうからあ〜ああああ」ってセロリを歌いたくなる。ちなみに夫はセロリも嫌いだ。もう知らんよ。
このスパゲッティ、味は好きだけど骨が多くていかん。モグモグしようとしたら命取りになる。デンジャラススパだよ。
このように私は、自分のために、自分だけしか好きじゃないスパゲッティをすごく一生懸命にせっせと作っている。誰のためでもなく、私だけに。主婦仲間とおしゃれイタリアンのランチなんて目じゃないのよ。私はこの安くていっぱい食べられる自分のスパゲッティが一番好きなのだからね。