私が勤務する中学校で、司書さんが私の図書カードを作ってくれたので嬉しくて最近色々借りています。
中学校なので図鑑や中学生向けのものが当たり前ですが多いのですが、だから普段自分があまり手に取らない本が借りられて楽しんでいます。
文庫もあって、電車とかですぐに読めそうだったのでよしもとばななさんの「デッドエンドの思い出」という本を借りて来ました。よしもとばななさんは、あまりにも有名人ですがけっこうたくさん読んだ事があって、読みやすくて確実にいつも心が浄化されるので、眠れない夜などに読んだりしていました。
最近は5年くらい全然よしもとさんの本を読んでいなかったのですが、電車でこれを読み始めて、5分くらいして早くも涙が出て来て、そのあとは下を向いてひたすらに涙が落ちるのをこらえていました。5つの話がのっている短編集なのですが、振り返ってみると全部の話で私は泣いていました。
帰りの電車でもうかつにも読んでしまい、またもやぼろぼろ泣いてしまいました。しかし、泣くのがあまりにも気持ちが良くて、涙がひとつ落ちるたびにスカ〜〜〜〜っと心が晴れて行くのがわかりました。
あとがきを読んでみると、よしもとさん自身がこの本を書きながら常に号泣していたらしいのです。彼女はこれを書いているとき出産を控えており、ただでさえ感情の豊かな人であるのに、新たな命を体に宿していたのでもう色々研ぎすまされていたのではないでしょうか。想いが溢れて泣いて書いたものには、その想いが確実に込められている。それが私にも伝染したのでしょう。
よしもとさんは「お金をだしてまでこんな悲しい話を買ってくれる人がいるのだろうか」というようなことを書いていましたが、私はひとつも悲しい話だとは思わなかった。それどころか希望に満ちた話だと思いました。悲しい想いをした人がこれを読む事で、確実に前を向いて生きて行けるのではないだろうか。ただの楽しいだけの本なら私は読みたいとは思わない。
これからも私にはきっと悲しい事や辛い事が起こるだろう。生きていたら当たり前のことなのだから。その度に私はこの本を開けたらいいのだな、と思ったのです。図書館にこの本を返したら、本屋さんへ行ってこの本を買おうと思いました。