女囚人といえば、木曜洋画劇場などで扱われる「女囚人コマンドー」などのB級ライトすけべ映画という印象ですが、ピアニストものが好きなヨーロッパはやはり違います。出尽くした感があったピアニスト関連映画、今度はどんなピアニストだ?と思ったら、ピアニストと女囚人をかけるとはすごい、センセーショナルでした。
ハリウッドとかなら、多分ここでピアノ教師をメリル・ストリープみたいな女優を使ってすんごい魅力的な人物に描く気配がするんですけど、質実剛健ドイツは、ピアノ教師がもう、超さびれたおばあさんっていうところがいいです。鉄のパンツはいてるような処女性を持った、真面目で融通がきかなくてなんか貧乏臭くて、とにかく近づきたくない感じのばあさんなんです。だからいいんだなあって観ていてどんどんばあさんが好きになっていくのです。
天才ピアニストのジェニーは、これまたすんごい顔は普通なんですけど、ピアノを弾いている時の輝きと美しさが、狂気を伴っていて、涙を出させます。観ている者に。生い立ちの悲惨さとかもすごい手伝ってるけど。
どうでもいいことですが、ドイツの人の名前をカタカナで書く時の不自然さといったらないです。「スヴェン・ビッピッピ」って難しすぎるでしょう。「モニカ・ブライブトロイ」とか。こっちが勝手に書いといて大きなお世話ですけど。そんでまた、暗いんです。映像がクラ〜イよヨーロッパは〜。