ファンタジーだけど、色味がアースカラーでアダルトなこの映画。大人が見ると、いろいろいろいろ、思います。「スパイクジョーンズ、そうきたか」とか「音楽にだいぶ力をいれてるな」とか「CG全盛期に、着ぐるみをだしてきたところが新鮮」とか、、、。
原作と同様、多くをあまり語りません。「こども時代に憧れて、かつそのときの気持ちを忘れていない大人が創った、ちょっと切ない映画」という感じでした。そこがすごーく現れているのが、かいじゅうたちとマックスが、めんどくさい事全部ぬきで、遊びまくる所。あそこは見ていて本当に楽しそうだった。「みてみて、おれなんてこんなことできるんだぜ」って、相手の気持ちは関係なくて、自分の楽しい事、力をみせつけられることに全力を注ぐ、あれぞ子どものエネルギー。大きなかいじゅうたちは、他のファンタジー映画とは違い、全然万能じゃない、マックスの分身のようなもの。不安定で傷つきやすい。人間の子どもには、お母さんがいてくれてよかった、と思いました。